ルノーの特別アドバイザーを務めるアラン・プロストが、ルノーがトロロッソに対して意図的に妨害工作をしているような事実はないと否定した。
今季限りでマクラーレンとの契約を解消するホンダは、2018年にはレッドブルのジュニアチームであるトロロッソにワークスPU(パワーユニット)を供給することになっている。
■来季ホンダに移行するトロロッソとルノーの関係が悪化
マクラーレンとの3年間の協業プロジェクトは失敗に終わったホンダだが、トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストはホンダがシーズンオフの間に現在のトラブルを解消し、来季からは強力なPUを提供してくれるという自信があると語ったと報じられている。
トストはさらに、現在ルノーから供給を受けているトロロッソのPUにトラブルが多発していることから、ホンダにスイッチしたとしても今以上のトラブルを抱えることはないはずだとも主張している。
これに対し、ルノーF1プロジェクトを率いるシリル・アビテブール(マネジングディレクター)は、最近トロロッソにPUトラブルが多いのはトロロッソの使用方法に問題があると示唆する発言を行うとともに、最終戦アブダビGP(26日)に供給できるスペアパーツがなくなるかもしれないとの見解を示したとも報じられている。
これに対し、トロロッソは今季のF1第19戦ブラジルGPが開催されていた11日(土)に正式にルノーを批判する声明を発表するなど、今季限りで関係が終了する両者の関係が著しく悪化してきている。
■意図的な妨害工作ではないとプロスト
だが、今季からルノーの特別アドバイザーに就任した元F1ドライバーのプロストはそうした状況の火消しに動き、「もちろん、トロロッソはアブダビでも我々のエンジンを手にすることになるよ」と発言。
プロストはさらに、コンストラクターズランキングでルノーがトロロッソを逆転できるようにルノーがわざとトロロッソのPUにトラブルが発生するように仕組んでいるのではないかとトストがいやみを言ったことに対しても『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「ルノーはこれまで長年にわたってF1にかかわってきているし、これまで常にどのチームに対しても同じ機会を提供してきている」
「F1選手権で順位を上げるために汚い手を使うことなど決してないよ」
ブラジルGPが終わり最終戦アブダビGP(26日決勝)1レースを残すだけとなった時点で、コンストラクターズランキング6番手に位置しているトロロッソをルノーが4ポイント差で追いかける展開となっている。
トロロッソはブラジルではPUエレメント交換により25グリッド降格ペナルティーを受けて19番グリッドからスタートしたピエール・ガスリーが12位完走を果たしたものの、同じく10グリッド降格を受けて18番グリッドからスタートしたブレンドン・ハートレイはオイルの異常消費という問題を抱え、リタイアでレースを終えている。
仮にそのアブダビGPでもトロロッソがまたPUの信頼性問題を抱えることになれば、両者が円満のうちに決別のときを迎えることはできなくなりそうだ。