メルセデスの前モータースポーツ責任者であるノルベルト・ハウグが、来週末に行われる2016年シーズンF1最終戦アブダビGPでニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が初のタイトルを手中に収めることを期待していると語った。
■マッチポイントを握って最終戦に臨むロズベルグ
現在チームメートのルイス・ハミルトンに12ポイント差をつけているロズベルグは、仮にハミルトンが優勝しても3位以上でフィニッシュすれば初のF1タイトル獲得が実現するという有利な条件で最終戦を迎えることになる。
ライバルのハミルトンは直近の3レースでいずれもポール・トゥ・ウィンを飾るなど、ここへきて圧倒的な強さを見せている。もし最終戦アブダビGPでも優勝すれば、年間勝ち星ではロズベルグを上回る10勝に到達することになる。
仮に、トップを走りながらもリタイアに追い込まれることになった第16戦マレーシアGPでのエンジントラブルさえなければ、今年もハミルトンがタイトル3連覇を果たす可能性のほうが高かったかもしれない。
■ロズベルグには十分にF1チャンピオンの資格がある
だが、ハウグは、ロズベルグもF1チャンピオンにふさわしいドライバーだと母国ドイツの『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』に次のように語った。
「ニコは成長を続けてきた。彼は今年は9勝を挙げているし、統計的には勝つのはほぼ時間の問題だ。いくら最高のチームで運に恵まれたとしてもそうはうまくやれないものだ。技術あればこそなんだ」
「とりわけ、チームメートが勝利する中で挫折を味わいながらも何年にもわたって勝つことに集中することができるドライバーは、このタイトルにふさわしいものだ」
■最終戦もいつもと同じ戦いができるはず
ハウグは、『Stuttgarter Nachrichten(シュトゥットガルター・ナッハリヒテン)』に対しても、最終戦ではタイトル争いが最高潮を迎えるものの、ロズベルグには最後までこれまでと同じように一貫性とずぶとさを保つだろうと次のように語っている。
「ニコにはマッチポイントレースに対しても、ほかのレースと同じように取り組むことができるだけの強さがあると思っているよ」