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小規模F1チームのシートはまるでオークション

2016年11月18日(金)5:22 am

フェリペ・ナッセ(ザウバー)の父親が、先週末のF1ブラジルGP(第20戦)で、息子がザウバーに今季初ポイントをもたらしたせいで、かえって自分の2017年のレースシート確保を不透明なものとしたのではないかとの報道に反論を行った。

■ナッセのブラジルGP入賞に大きな副作用

ブラジルGP決勝でナッセが9位入賞を果たしザウバーに2ポイントをもたらした。これによりザウバーはマノーを追い抜いてコンストラクターズランキング10位に浮上。もしこのままの順位でシーズンが終われば、ザウバーは1,100万ドル(約12億円)とも見込まれる分配金を手にすることができる。

そして、これまでパスカル・ウェーレインが第9戦オーストリアGPで稼いだ1ポイントで10位に位置していたマノーは、最下位となり、逆にその1,100万ドルを失ってしまうことになるわけだ。

このため、資金不足に苦しむマノーとしては、所属するメルセデスの支援を受けるウェーレインよりも多くの資金持ち込みが可能なドライバーと契約せざるを得ない状況に追い込まれると見られている。

こうした状況の中、メルセデスが一定の資金提供を約束することでウェーレインをザウバーに移籍させようと動いているのだ。

■ポイントを取ったばかりにシート喪失の危機?

一方で、ナッセの方はこれまで支援を受けていたスポンサーのブラジル銀行が手を引くことが明らかとなっている。スポンサー資金を持ち込めなくなれば、ザウバーがナッセではなくウェーレインを選択する可能性も高くなるだろうと考えられている。

せっかくチームに初ポイントをもたらしたものの、それが逆に自分のシートを危ういものにするかもしれないというなんとも皮肉な状況にナッセが置かれてしまっているようだ。

だが、ナッセの父親であるサミール・ナッセは、そういう見方は逆だと『UOL(ウニヴェルソ・オンライン)』に次のように語った。

「ブラジルで得たポイントが彼(ナッセ)にとって大きく有利になるはずだ」

「ほかのドライバーたちは500万ドル(約5億5千万円)を持ち込めるかもしれない。だが、私の息子はコース上で1,100万ドルをチームのために稼いだのだからね」

■金次第のF1を嘆くナッセの父

だが、サミール・ナッセは、最終的に財政上の問題で自分の息子がシートを失うことになるかもしれないという現実があることを嘆きながら次のように続けた。

「問題は、小規模チームはまるでオークションのようになってしまったことだ。競技的要素は後ろに追いやられ、多くの金を持ち込める者が強いんだ」

「だが、我々もスポンサーを探しているところだ。今回の結果により、状況も変わるだろうと思っているよ」とサミール・ナッセは付け加えた。

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