フェラーリが、F1オーストリアGP(21日決勝)が開催されたレッドブルリンクで来週の23日(火)と24日(水)の2日間にかけて行われる公式テストの計画を見直したと報じられている。
今季は、シーズン中に2回の公式テストが予定されていた。1回目のテストはすでに5月にバルセロナで開催済みとなっており、今回のレッドブルリンクでのテストがシーズン中最後のテストとなる。
ところで、5月のバルセロナでのテストでは、イタリアのメディアがフェラーリに対する批判を展開するという事態となっていた。
それは、フェラーリがそのテストにセバスチャン・ベッテルとキミ・ライコネンのいずれも参加させず、控えドライバーのエステバン・グティエレスと、フェラーリのドライバー・アカデミーの一員であり、今季ザウバーの控えドライバーを務めるラファエレ・マルチェロにテストを担当させていたためだ。
当時、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は次のように書いていた。
「なぜフェラーリがこのテストというチャンスを最大限に利用しようとしないのか、本当に理解に苦しむ」
実際のところ、ライバルチームではいずれもレースドライバーをバルセロナのテストに参加させていた。
そして今回、フェラーリでは来週のレッドブルリンクでのテストに再びエステバン・グティエレスを起用するとともに、フェラーリのドライバー・アカデミー所属選手としてGP3に出走しているイタリア人ドライバーのアントニオ・フォコを起用すると発表した。フォコはまだ19歳の若手ドライバーだ。
だが、フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』は、当初キミ・ライコネンがレッドブルリンクでのテストを担当する予定になっていたと主張している。
しかし、その計画は、バルセロナでグティエレスとマルチェロがテスト走行を担当する以前に立てられていたものだ。
フェラーリでは、当初ベッテルがバルセロナでのテストを担当し、ライコネンがレッドブルリンクのテストで走行を行う予定になっていたという。
今季のシーズン前テストでは、ベッテルとライコネンがそれぞれ6日ずつテストを行っていた。仮にライコネンが当初の予定通りにレッドブルでのテストを担当することになれば、ライコネンのほうが優遇されているという指摘がなされることになるかもしれない。
ひょっとしたら、フェラーリでは2人のドライバーに公平なチャンスを与えるという意味で、今回ライコネンをテストからはずしたのではないかとの憶測も出ているようだ。
その背景には、母国メキシコの企業からスポンサーマネーを持ち込んでいるグティエレスからテストのチャンスを取り上げることができないという事情もあるのかもしれない。