ロータスのオーナー兼チーム代表であるジェラルド・ロペスが、現在のロータスが表彰台を狙うところまでに復活することは難しいだろうと認めた。
2012年にロータスからF1復帰を果たしたキミ・ライコネン(現フェラーリ)はその年の第18戦アブダビGPで優勝を飾ると、翌2013年も開幕戦オーストラリアGPで優勝するなどの活躍を見せ、チームメートのロマン・グロージャンとともにロータスを一躍トップチームに引き上げた。
2012年と2013年はコンストラクターズランキングも4位につけたロータスだが、大きくF1レギュレーションが変わり、ライコネンを失った2014年には、ルノーエンジンの不調やアグレッシブな2本の先端を持つノーズの導入などが失敗に終わり、ランキングも一気に8位に後退してしまった。
今季は、最強と言われるメルセデスエンジンに替えて臨んだ今シーズンだが、5レースを終えた時点でのランキングは7番手にとどまっている。
「もし野心と、少しばかりの競争力があれば、うまくやれないのはつらいことだ。私に言わせれば“少しばかり”どころか大きな競争力を秘めていると思っているがね。だが、自ら失敗を招いてしまうこともある」
スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』にそう語ったロペスは、次のように続けた。
「二度とやりたくないと思っているのは、4番手か5番手の位置にいるときに、トップになることを目指してギャンブルに出ることだ。我々が2年前にやってしまったようにね」
ルクセンブルク出身のロペスは、そのロータスも2015年には再び軌道に乗りつつあるが、現在は「中期的」な視点のもとに、単に「いい仕事をする」ことだけを目標に置いていると語り、次のように続けた。
「現時点では、我々は4番手か5番手を狙えるチームになっているし、そこを目指さなくてはならない」
「トップの2チームのことは気にしても仕方がない」
今季もここまで順調にトップの座を守っているメルセデスAMGと、今季躍進著しいフェラーリについてそう語ったロペスは、さらに次のように続けた。
「昨年は、ウィリアムズが3位に入ったが、それはエンジンによってのみ可能なことだった。ウィリアムズには失礼な言い方になるかもしれないがね」
「だが、550人しかいないチームが850人も抱えたチームと戦うのは無理な話だ。レギュレーションが変わったことで、1年だけはそうできたかもしれない。だが、今後は無理だよ」
ロペスは、シーズン終盤にはメルセデスAMGとフェラーリ、そして大きな予算を持つレッドブルが順当に上位を占めるだろうと見ているようだ。そして、ロータスではその下の4番手をウィリアムズと競っていきたいということだろう。