メルセデスAMGの非常勤会長であるニキ・ラウダが、2014年のF1チャンピオンチームであるメルセデスAMGが、2015年にはさらに強さを増すのではないかとの見方に対し、慎重な姿勢を見せた。
2013年までの自然吸気V8エンジンに変わり、全く新しいV6ターボによるパワーユニット時代を迎えた2014年には、メルセデスAMGが圧倒的にシーズンを支配。全19レース中で優勝できなかったのはわずか3レースだけだった。
そして、スペインで3回に分けて行われた今年のシーズン前公式テストにおいても、メルセデスAMGの2015年型車W06がライバルたちを寄せ付けない実力を備えていることを示して見せた。
だが、3度F1チャンピオンに輝いた伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、ライバルたちも自分たちに襲い掛かるチャンスを虎視眈々(たんたん)と狙っていると考えている。
ラウダは母国オーストリアの『APA通信』に対し、「今年は本当に面白いシーズンになるだろうね。メルセデスAMGだけが活躍することにはならないだろう」と語ったラウダは、次のように付け加えた。
「ドライバーズチャンピオン争いも、おそらく単にルイス(ハミルトン)とニコ(ロズベルグ)だけで決まることにはならないだろう。第三の男、あるいは第四の男がその戦いに加わってくると思うよ」
ラウダは、冬のテストの結果だけで推測したことが実際にその通りになるのはF1ではまれなことだと認め、次のように続けた。
「私は、メルボルン(開幕戦オーストラリアGP/3月15日決勝)で目にすることだけを信じるよ」
ラウダが第三の男や第四の男として誰をイメージしているのかは分からない。
2014年に、唯一メルセデスAMG以外のドライバーとして3勝をあげたのはレッドブルのダニエル・リカルドだった。
だが、2015年にメルセデスAMGにとって最大の脅威となるのは、ウィリアムズのバルテリ・ボッタスかもしれないと考えているF1関係者も少なくないようだ。
そのボッタスは、現時点でのメルセデスAMGとの差はあまりにも大きすぎるようだと母国フィンランドの『MTV3』に次のように語った。
「彼ら(メルセデスAMG)は、ほかの誰よりも、少なくともコンマ5秒は上回っているようだ。シーズンのこの段階でこれほどの差があるという事実は厳しいね」
メルセデスAMGにとっては、復調の兆しを見せているフェラーリも無視はできない存在だろう。
「彼ら(フェラーリ)は順調に進んでいるね」
そう認めたラウダは、次のように付け加えた。
「一方、マクラーレンはそれとは全く逆だ。だが、それもすぐに変わる可能性もあるがね」