フェラーリではまだ正式に来季セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が加入することを発表していないものの、F1関係者の間ではそれはすでに公然の秘密だという受け止め方をされている。
そして、イタリアの『Omnicorse(オムニコルセ)』は、フェラーリでは今季のF1最終戦アブダビGP(11月23日決勝)後の26日と27日の2日間にかけて行われる公式テストで、ベッテルに今季型車であるF14-Tでのテスト走行を行って欲しいと考えていたはずだと報じている。
フェラーリとしては、ほんの数日前にアブダビGPが行われたばかりのヤス・マリーナ・サーキットで、フェルナンド・アロンソとキミ・ライコネンが使った同じクルマでベッテルが実際にどれだけの走りを見せるのか比較をしたかったはずだ。
さらに、アブダビではピレリの2015年用タイヤのプロトタイプが初めてテストされることにもなっており、来季のタイヤの感触を早めにつかんでおいてもらう意味も大きいだろう。
だが、『Speedweek(スピードウィーク)』から、いつベッテルとの契約が正式に解除されるのかと質問されたレッドブル総帥のディートリッヒ・マテシッツは、「最終戦の5日後に、彼は自由になる」と答えた。
つまり、レッドブルとベッテルの契約が解除されるのは、11月28日ということになり、その時点ではアブダビでの公式テストはすでに終わっていることになる。
一方で、少年時代からベッテルを育成し、4年連続F1チャンピオンにまで育てあげたレッドブルだが、すでにベッテルを来季のF1カー開発に関することからは締め出すことを明らかにしている。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』に次のように語った。
「来年に向けてのあらゆる開発に関し、ベッテルがもはやそれにかかわることはないし、何の情報も与えられることはない」
マルコはさらに『Bild(ビルト)』にも次のように語っている。
「それは来季型車のコックピットの設計から空力設定に至るまでだ」