NEXT...F1開催スケジュール

今年のベッテルは「バレリーナのように踊れていない」とレッドブルのボス

2014年08月12日(火)17:02 pm

レッドブルのチームオーナーであるクリスチャン・ホーナーが、今季セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が精彩を欠いている理由をいくつか説明している。

2010年から2013年まで4年連続でF1チャンピオンに輝いた絶対王者のベッテルだが、今季はここまでなかなか調子が上げられずにいる。

中には、昨年限りでF1を引退したマーク・ウェバーに代わって新たにベッテルのチームメートとなったダニエル・リカルド(レッドブル)が単にベッテルよりも優れているだけだと考えている者もいる。

■リカルドのほうがベッテルより優れているだけ?
レッドブルのジュニアチームであるトロロッソから昇格してきたリカルドは、今季はここまでベッテルに対して予選では7勝4敗、決勝では2位フィニッシュだったものの失格処分となった開幕戦を加えれば、実にここまで9勝2敗という圧倒的に優位に立っている。そして、いまだ優勝のないベッテルに対し、リカルドはここまで2レースで優勝を果たしている。

ホーナーも、このリカルドの好調ぶりにはレッドブルばかりでなくF1界全体が驚かされていると認めている。

25歳のリカルドは、『CNN』に次のように語った。

「僕は本当に自分に才能があるのか、世界最高のドライバーなのかを確かめたいと思っている」

「そして、自分の力を測るためには最高のチームメートがいるよ」

■もっと複雑な背景があるとホーナー
だが、ホーナーは、リカルドが突然台頭し、ベッテルよりもいい成績を上げてはいるものの、実際にはもっと複雑な背景があるのだと語っている。

「さまざまな要素が組み合わさったことによるものなんだ」

ドイツの『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルド・モートアシュポルト)』にそう語ったホーナーは次のように続けた。

「まず、タイトル争いを5年も続けていれば少しばかり疲れてもくるものさ。だが、それが基本的な問題だと言うわけではないんだ」

「ここ数年においてベッテルがクルマからコンマ数秒縮める速さを絞り出してきた方法はかなり独特のものだった」

「彼はクルマの挙動に非常に敏感なんだ。特にブレーキング時のね」

■「新ブレーキシステム」がベッテルの足かせに
ところが、今季からクルマには電子式にブレーキを制御する「ブレーキ・バイ・ワイヤ」システムの装着が義務付けられたことで、ベッテルは「クルマの感触をつかむ手段を失ってしまっている」のだとホーナーは説明。

さらに、「クルマもかなり運転しづらいものとなったことにより、セブ(ベッテル)はかつてのような形でタイヤをいたわることができなくなっていた」とホーナーは付け加えた。

ホーナーに言わせれば、ベッテルはまるで「バレリーナみたいに、アクセルやブレーキと一緒に踊っていた」ものだが、2014年のクルマでは当初それは不可能だったのだという。

その後、レッドブルはエンジンメーカーのルノーとともにクルマの改善に努めてきた。ホーナーもF1ハンガリーGP(第11戦)でベッテルが見せたペースは、彼が「再びクルマの感触を取り戻しつつある」ことを示すものだとしている。

■トラブルが集中する不運も重なった
さらに、ホーナーは次のように続けた。

「それに、セバスチャンのほうに多くのメカニカルトラブルが発生していたことを忘れてはならないよ。そうした小さな問題が積み重なったことで、彼の調子を崩してしまったんだ」

「だから、彼には自分のドライビングスタイルを適応させるための時間があまりなかったんだ」とホーナーは付け加えた。

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック