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ルノーとフェラーリはメルセデスの投資額に負けたのだとルノーエンジンの元社長

2014年08月12日(火)18:01 pm

ルノーF1エンジンを製造するルノー・スポールF1の前社長であるジャン-ミシェル・ジャリニエが、F1が新たなV6ターボ時代を迎えるにあたってルノーが投入した開発予算がメルセデスに対して少なすぎたと語った。

昨年までの自然吸気エンジン時代の終盤にはレッドブルとともに4年連続でF1の頂点に立っていたエンジンメーカーのルノーだが、新たにV6ターボエンジンが導入された今シーズンは、強力なパワーユニット製造に成功したメルセデスに苦しめられる状況に陥っている。

7月にルノー・スポールF1の社長の座から「個人的理由」によって退いたジャリニエだが、これは2015年以降に再びトップエンジンメーカーへと返り咲くことを目指したルノーが行った組織改革の一環だと考えられている。

だがジャリニエは、今季の状況に関して、ルノーとフェラーリが新しいレギュレーションに対して従来と同じような手法で臨んだのに対し、ライバルのメルセデスがこれまでとは大きく違う手法で取り組んできたことの結果だと次のように語った。

■メルセデスとほかの2社とでは予算規模が違った
「フェラーリとルノーは似たような結果となっている。一方でメルセデスは明らかに優位に立っている。まず投下した予算のレベルを見ないとならない」

フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』にそう述べたジャリニエは、次のように続けた。

「ルノーでは同じレベルの予算が維持されていた。だが、メルセデスではバーを高く上げ、多くの資金、人材、そしてテクノロジーを投下したんだ」

「その結果、彼らは我々よりも十分な準備ができたわけだ。イタリア人たち(フェラーリ)も、これまでに知られていたのと同じような投資レベルで運営していた」

「パドックでは、メルセデスでは我々からすれば不釣り合いなほど巨大な投資を行ったという話が出ていたよ。だが、そうしたうわさを信じていいかどうかは分からなかった」

「結局、それは本当だったよ。このプロジェクトに投入された人材や資金に関しては、フェラーリや我々は彼らよりもはるかに少なかったのは明らかだ」

「我々はヴィリー(ルノー・スポールF1のエンジン部門)に320名のスタッフを抱えている。だが、メルセデスではシャシー部門とエンジン部門を合わせると1,250名もいるんだ。これだけのリソースがあれば、開発段階においてはひとつの解決策に限定されることなく、2つかあるいは3つのことを並行して進めることもできる」

「これは、正しい施策を達成するための強大な組織だよ」

■メルセデスでは自社チームに最適化したエンジンだけに絞っていた
今季、エンジンの力不足や信頼性不足が露呈したルノーは、これまで共にF1タイトルを独占してきたパートナーであるレッドブルから強い批判を受けることとなっていた。だが、ジャリニエは「利用できる手段の範囲で、我々はこのプロジェクトをまったく正しくやり遂げた」と主張している。

しかし、そのジャリニエも、ルノーではレッドブルやロータスといった顧客チームに対して、それぞれに合わせてカスタマイズされたエンジンを供給するのではなく、メルセデスが取ったようにひとつのパワーユニット・パッケージを最適化するような手法を取り入れるべきだったと認め、次のように付け加えた。

「メルセデスが優位に立ったのは、彼らのワークスチームであるメルセデスAMG用に最適化されたエンジンやシャシーがあったことだ。そして、そのエンジンがそのままの形で、あるいは自分たちの必要に応じ、自らの責任において調整が加えられた形でほかの顧客チームで使われていたんだ」

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