メルセデスAMGでは、今後「チームオーダー」の発令を具体的に視野に入れて行くことになりそうだ。
先週末のF1モナコGP(第6戦)では、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグがモナコで2年連続のポール・トゥ・ウィンを達成。第2戦から第5戦までを連続して制し、波に乗っていたチームメートのルイス・ハミルトンの連勝にストップをかけるとともに、ドライバーランキングでも再びトップの座に返り咲いた。
モナコGP予選では、ロズベルグが自分の後ろでアタックラップを行っていたハミルトンを妨害するためにわざとミスを犯して黄旗を誘発したとの疑念も呈されるなどのハプニングもあり、こうしたことを通じてハミルトンとロズベルグの関係が一気に悪化したことは誰の目にも明らかな状態となっている。
これまでのところメルセデスAMGでは、チームオーダーを発令することについては慎重な態度をとっていたものの、こうした状態がさらに悪化してゆけば、いずれ2人がコース上でクラッシュしてしまうことも避けられない状況となる確率は高く、チームオーダーについて真剣に考えなくてはならない時期を迎えているようだ。
これに関し、メルセデスAMGのビジネス担当エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフは『Welt am Sonntag(ヴェルト・アム・ゾンターク)』に次のように語った。
「現時点で向かおうとしている方向は、メルセデス・ベンツの精神にのっとったものではないと思っている。我々はその精神に従って行動を起こしていくよ」
「我々はレーサーだ。我々も自分たちのドライバーにはレースをしてもらいたい。だが、そこには一定の限界があることも受け入れなくてはならないんだ」、とヴォルフは付け加えている。