メルセデスの親会社であるダイムラーのディーター・ツェッチェ会長が、現在F1タイトル獲得に向けての戦いが激しさをましてゆくと考えられているメルセデスAMGのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグについて、自由に戦わせるべきだとの見解を明らかにした。
今季ここまで圧倒的な強さを誇っているメルセデスAMGだが、チーム内のドライバー同士の確執が強まるなど、今後の展開が懸念される状況となっている。そして、メルセデスAMG首脳陣としては、場合によっては今後チームオーダー発令の可能性もあることを匂(にお)わせている。
だが、ツェッチェは、チームオーダーを出せば、チーム首脳陣の頭に白髪が増えることは防げるかもしれないものの、ハミルトンとロズベルグにはこれからも自由に戦わせるべきだと語った。
「それこそが、F1ファンが見たいと思っているものだからね。チームオーダーにより1人がおとなしく別のクルマの後ろに従って走るのを見るのは最悪だろう」
「結局のところ、我々は誠実であるべきなんだ。人々も(メルセデスという)ブランドに興味を持っている。だが、彼らがもっと興味を持っているのはドライバーについてなんだ。みんなは彼らがお互いに戦うところを見たいんだよ」
そう語ったツェッチェは、次のように付け加えている。
「今、2人の若者が素晴らしいクルマを得てお互いに戦おうとしている。これはレースが提供できるもっとも素晴らしいことだよ」