贈賄の罪に問われているバーニー・エクレストンの裁判は9日(金)、新たな展開を迎える。
『SID通信』によると、元銀行家のゲルハルト・グリブコウスキーがこの日、ミュンヘンの裁判所に出廷。裁判の鍵を握る証人として、初めて証言台に立つのだ。グリブコウスキーは、およそ4,400万ドル(約44億4,400万円)のワイロをエクレストンから受け取ったとされる罪で服役中だ。
この汚職スキャンダルで、グリブコウスキーとエクレストンの言い分は真っ向から対立している。
収賄罪で既に8年6ヶ月の刑期を務めているグリブコウスキー。彼は、エクレストンがF1の商業権売買を有利に進めて権力の座に留まろうとしたとの検察の主張に沿って証言するとみられる。
2週間前、弁護側の冒頭陳述でエクレストンは次のように述べている。「訴えは、事実に反し、誤解を与えやすく、一貫性に欠けるグリブコウスキー博士の供述に基いている」
一方、エクレストンの立場は、イギリスで起きた個人的な税金問題をネタに脅迫されたため仕方なくグリブコウスキーに金を払ったというものだ。
エクレストンの陳述は次のように続く。「多くの者はいう。”一体どうすればバーニー(エクレストン)のような人物を追い詰められるのか”と」「正しいレバーをひねれば可能なのだ。グリブコウスキー博士はみごとに探し当てたのである」
「いずれにしろ、どんな見出しが付こうとも彼(グリブコウスキー)が金を欲しがっていたのは私の目に明らかだった」「いま考えてみると、(金の支払い)は冷静な決断とはいえなかったかもしれない。だが当時、”この男は危険だ”としか思えなかった」
26日におよぶ審理期間中、グリブコウスキーをはじめ、およそ40人が証言を行うと『SID通信』は伝えている。