ドイツの元銀行家ゲルハルト・グリブコウスキーを巡る汚職事件で、当事者のひとりであるバーニー・エクレストンがもし有罪判決を受けたら、F1を所有する投資会社CVCキャピタル・パートナーズはエクレストンを解雇する方針だ。
現在ロンドンの高裁では、同事件に関連した1億4,000万ドル(約138億6,000万円)の民事訴訟が進行中。18日(月)、証言台に立ったCVCの共同創設者ドナルド・マッケンジーがエクレストン処分の可能性を語ったものである。
ロンドンの訴訟と平行してエクレストンはドイツで検察の追及を受けている。グリブコウスキーを4,000万ドル(約39億6,000万円)で買収した罪を問われているのだ。
マッケンジーは次のように述べた。「もし、エクレストンが何らかの形で法を破る行いをしたことが証明されたら、われわれは彼を解雇する」
さらにマッケンジーは、グリブコウスキーに4,000万ドル(約39億6,000万円)を渡した件について、エクレストンが「失念」したと報告し、さらに謝罪を受けたことを法廷で証言している。
「私にウソをついたことはないと彼(エクレストン)はいった。だが、4,000万ドルもの支払いについて報告を忘れたとは、信じるほうに無理があるといわざるを得ない」
実は、エクレストンとマッケンジーのこうした相違は今回が初めてではない。
2009年、あるインタビューで独裁者アドルフ・ヒトラーを尊敬していると語ったエクレストンに辞職要求を突きつけたのがマッケンジーだ。
18日(月)、マッケンジーは次のように語った。「F1は(CVCにとって)有益な投資だ。ただし、悪い評判も立っている。これ(グリブコウスキーの金銭スキャンダル)はその好例だ」
対するエクレストンは、裁判がF1の看板に傷をつけることはないと、次のようにイギリスのテレビ局『Sky(スカイ)』に話している。
「私はそう思わない。裁判から多くの事実が浮かび上がるなら、けっこうなことじゃないか」