F1にタイヤを供給するピレリが、シーズン中にもかかわらずタイヤの変更を発表したことについて、ロータスのチーム代表エリック・ブーリエが「少し失望した」と話した。
大半のチームが4回タイヤ交換を行ったF1第5戦スペインGP後に、タイヤに関してメディアから一斉に批判が噴出、レッドブルやメルセデスAMGといったトップチームからも不満が出ていた。ピレリは、来月初めのカナダGP(6月9日決勝)から、部分的に昨年のものに戻したタイヤにすることを発表した。
これを受けてブーリエは、変更を歓迎するのは「数チーム」のみであり、変更が「チームのパフォーマンスを助ける」可能性があるチームだけだと話している。
スペインGPで2位になったロータスや1位と3位になったフェラーリは、今年これまでのタイヤでも、特に不満を訴えていなかった。
「レッドブルとは違う」とブーリエはフランスののテレビ局『Canal Plus(カナル・プラス)』に話している。「(レッドブルは)純粋に空力だけを基にマシン開発を行う主義だ。われわれやフェラーリのようないくつかのチームは、マシンをデザインする際に、ピレリの要素を考慮に入れている」
「従って、この変更には少し失望している」
「例えばサッカーを例にすると、シーズンの途中にゴールのサイズを大きくすると決めるようなものだ。そんなスポーツがたくさんあるとは思えない」とブーリエは語っている。
ピレリのテストドライバーで元F1ドライバーのハイメ・アルグエルスアリは、2013年のタイヤに根本的な問題は何もないとし、スペインGPで優勝したフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)のようなドライバーを「ほかのドライバーがタイヤを理解できていない中で、タイヤを理解している」とほめたたえてた。
「意外でも何でもないと思う」とアルグエルスアリはスペインのスポーツ紙『AS(アス)』に話した。
「ベッテルが2011年に勝ち続けていたときも、こういう風だった。でも、ものごとがうまくいっているときには、文句は言わないものだ」
「今は、数人だけがタイヤを理解していて、ほかは理解していないということだよ」
「つまり(タイヤを理解しているのは)フェラーリのアロンソとロータスのライコネンだ」
「2011年は僕もそうだった」とトロ・ロッソで走っていた当時の様子をアルグエルスアリは説明した。「あの年は最初はさんざんだったけれど、シーズン途中から、コンパウンドの変化の仕方が分かるようになってきた」