ここ数年、情勢不安から安全が懸念されながら開催を続けているF1バーレーンGPを目前にして、元チャンピオンのデイモン・ヒルがその強行開催に疑問を投げかけている。
先日、バーレーンGP開催への反対勢力が拘束されたと報じられたが、バーレーン王国の政府はこの報道を否定した。昨年も、多額の費用をかけてグランプリを開催することに反発があり、警戒体制のなかでバーレーンGPは行われていた。
1996年のF1チャンピオンであるヒルは、今もパドックで馴染みの顔のひとつで、現在は『Sky(スカイ)』局のコメンテーターとして現場の声をファンに伝えている。ヒルは今回、バーレーンの情勢に対する関係者たちの本音を『Guardian(ガーディアン)』に明かした。
「F1関係者の多くは、“人々の生活を悪化させてまでここに来たくない”と考えているよ」
「われわれはF1を楽しみたいんだ」
「レースをすることで人々の生活がさらに苦しくなるなら、バーレーンに行きたくない。人々の生活悪化の原因はF1だと思われたくないのだ」
ヒルは、F1を統括するFIA(国際自動車連盟) のジャン・トッド会長の、控えめで穏健的なやり方ではバーレーンのような状況に対処できないと警告を発している。
「ジャン・トッドのやり方はとにかく口出しせずにいることなんだ。でなければ危険が及ぶからね。しかし、このやり方は誤りだと私は思う」
「彼は、好ましくなく、腹立たしい事態をF1から遠ざけるような発言をしない。F1にいる誰もが、遠ざけて欲しいと思っているはずだがね」