F1公式タイヤサプライヤーであるピレリが、今季用タイヤがドライバーに対して非常に保守的な走りを強いるものなのかどうかの再検討を行うとすれば、F1バーレーンGP(4月21日決勝)以後になると、イギリスの『Autosport(オートスポーツ)』が伝えている。
ピレリは、2011年からブリヂストンに変わってF1唯一のタイヤサプライヤーとなったが、それ以来F1にワクワクするようなレースと戦略面での面白さを持ち込むと確約していた。そして今年もさらにそれを強める取り組みがなされていた。
レッドブルとメルセデスAMGは、F1マレーシアGP決勝の終盤にチームオーダーを発令したが、その要因となったのは痛みやすいタイヤを守る必要があったためだと言及していた。
そのことはつまり、性能低下が著しいピレリのタイヤは、レースを見応えのあるものにするというよりは、ドライバーの行動を抑制し、できる限り大人しいレースを強いることにつながっていたのではないかとの見方もできる。
それについてどう思うかと問われたピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーは、そうしたチームの論点は事実を歪曲(わいきょく)しているのではないかとほのめかしつつも、もし決勝レースがそのせいで控えめなものになるというのであれば、タイヤコンパウンドを再検討することもあり得ると次のように語った。
「われわれは満足すべきだと思う」
「レースをリードした2つのチームでは明らかにそれぞれのドライバー間で問題を抱えていた。多分それによって決勝レースの面白みを損ねてしまったのかもしれないがね」
「ホイール・トゥ・ホイールのような事柄は、4レースが終わった時点で再検討すべきことだ。今は時期尚早だね」
だが、ヘンベリーとしては、F1チームの大多数は満足しており、レッドブルの批判は例外的なものだと考えているようだ。ヘンベリーは次のように続けている。
「もし全てのチームが何か言っているのなら、ちょっと話は違ってくるし、どうにかしなくてはならないだろう。変更を加え、何か違うことをやらないといけない。だが、もしそれが限られた意見であれば、そうした懸念がなぜ出てきているのかということを解明しようとするだろう。なぜなら彼らは表面的なことではなく、もっと深いことについて言っているのだから。それが何なのかをつきとめる必要がある」
「われわれとしては、それが何だったのか、そして何であるか分かっていると思っている。だが、われわれがその問題から逃げるために1チームのために何かをしたりすれば、F1チーム全体が大騒ぎになってしまうだろう」