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2013年F1開幕戦オーストラリアGPの見どころ

2013年03月14日(木)13:48 pm

昨年に続き、混戦が予想される2013年F1が開幕する。

・2013年の新要素
昨年に「醜い」として大不評だったノーズは、段差を隠すパネルの装着が認められた。このため、開幕前のテストでは複数のチームがパネルを装着して段差を隠した。しかし、段差を残しているチームもあり、シーズン中に段差の処理が変わるのか注目しても面白いだろう。

2011年から導入されたDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)はこれまで、決勝では決められた区間DRSゾーンで前走車の1秒以内に近づいた場合のみ使用可能だったが、フリー走行と予選では自由に使用できた。しかし今季からは、フリー走行と予選でもDRSゾーンのみに使用が限定される。

また、昨年のF1で流行しつつあったダブルDRSが禁止となった。これは、車体のある部分で取り込んだ空気をウイングから放出することで空気抵抗を減らし、最高速を向上させるシステムだ。しかし、禁止となったのはDRSと連動する形で作動するダブルDRSのみで、ロータスなどが開発を進めるDRSと連動しないシステムは禁止の対象外となっており、今季も数チームが開発を進めている。

・開催サーキット

オーストラリアGPが開催されるアルバート・パーク・サーキットは、メルボルンにある公園を周回する公道などを使用した特設コース。公道を使ったコースであるため、レース週末の序盤は路面が汚れており、その後、走行を重ねるごとに路面のグリップが増していく。クルマをセットアップする際は、予選や決勝での路面状態を予測してセットアップする必要がある。

アルバート・パークは、追い抜きが見られるサーキットでもある。最も一般的なのは、シケイン状になっている3コーナーから4コーナーにかけて。しかし、3コーナーで右へ曲がると、すぐに左へ切り返すため、2台が横並びの状態でバトルを繰り広げることも多い。1コーナーで追い抜きが見られることもあるが、3コーナーに比べると、その頻度は少ない。

昨年同様、今年もアルバート・パークではDRSゾーンが2ヶ所設定される。1つめはホームストレートで、最終コーナーを立ち上がったところからDRSゾーンが始まる。2つめは、2コーナーから3コーナーにかけてのストレート。追い抜きが見られるコーナー2つの直前にDRSゾーンが設定されているため、レース中の追い抜きも期待される。

・注目ドライバー、チーム
開幕前のテストから、今年も混戦になると予想されている。レッドブルが今年も強いとみられるが、テストでは圧倒的な速さを見せておらず、これが実力を隠しているのか、ライバルに大きな差をつけられていないのか意見が分かれている状態だ。

そして、マクラーレン、フェラーリ、ロータスといったチームも速さを発揮するとみられており、こういったチームがレッドブルにどこまで迫れるのか注目されている。そして、最も注目が集まっているチームがメルセデスAMG。テストではトップレベルの速さを見せており、ルイス・ハミルトンを獲得し、チーム首脳陣を入れ替えて生まれ変わったメルセデスAMGがレースでどこまで強さを発揮するのか注目だ。

・今年もタイヤがカギに?
開幕前のテストで最も大きな話題になっていたのがタイヤ。昨年も扱いが難しく、デグラデーションと呼ばれる性能低下が突然、急激に発生することでレース展開を大きく左右していた。今年は、開幕前のテストでデグラデーションの大きさに注目が集まり、ドライバーからはオーストラリアGPでのタイヤ交換が10回になるとのコメントまで飛び出したほどだった。

しかし、テストが行われていたのは寒い冬のヨーロッパであったことや、タイヤへの負荷が大きなサーキットだったことが原因ではないかとの意見もある。実際、ピレリのモータースポーツ責任者ポール・ヘンベリーは、オーストラリアGPのタイヤ交換が2回から3回になると予想した。

今季用のタイヤは、タイヤがうまく機能する温度の幅が広がり、各コンパウンド間の性能が大きくなっており、全体的に軟らかくなるなどの変更が加えられたが、各チームとも暖かいコンディションで今季タイヤを使うのは初めてだ。各チームともまずはタイヤのデータ収集に集中するだろう。開幕戦に持ち込まれるドライタイヤは、4種類のうち最も軟らかく、タイヤ側面のロゴが赤いスーパーソフトと、2番目に硬く、ロゴなどが白のミディアム。決勝では、雨用のタイヤを使わない限り、両方のコンパウンドを使用しなければならない。

・始まるまで分からないのが開幕戦
今季のF1も、開幕前から各チームの力関係が話題になっているが、実際に始まってみないと分からないというのが開幕戦。テストでは、各チームがそれぞれ別の目的で走行し、それぞれのプログラムで走っているため、正確な勢力図は見えてこない。フリー走行もテストの延長のようなものであるため、ハッキリとした勢力図は判断しにくい。

そのため、各チームの力関係が見えてくるのは予選からということになる。このチームは手の内を隠しているのではないか? 実はこのチームはあまり速くないのではないか? などと想像しながら予選と決勝を待つのも開幕戦の楽しみ方と言える。

・雨が波乱のレースを演出?
今週末のメルボルンでは、にわか雨が降るとの予報も出ている。雨が降った場合、その時の路面状況に最適なタイヤを装着していなければ大きくタイムを落とすことになる。特に予選や決勝の最中に雨が降ると、これによって大きく順位が変動することもあり、波乱の展開になってしまうことも多い。

フリー走行が行われる15日(金)は晴れの予報だが、予選がある16日(土)と決勝の17日(日)には雨の予報もある。ちなみに雨用タイヤは、路面の水量が多いとき向けのウェットは、タイヤ側面のロゴなどが青、水量が少ないとき向けのインターミディエイトはロゴなどが緑で書かれる。

2013年F1開幕戦オーストラリアGPは、15日(金)の現地時間12時30分(日本時間10時30分)にフリー走行1回目が開始。決勝は17日(日)の現地時間17時(日本時間15時)にスタートする。

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