このところ引退説が持ち上がっているF1の最高権威バーニー・エクレストンが本当にF1のトップを退いた場合、F1オーストラリアGPの責任者もその職を辞すると明言している。
エクレストンは元銀行家ゲルハルト・グリブコウスキーの贈収賄事件に深くかかわっており、自身も逮捕や収監の危機にさらされていた。グリブコウスキーに実刑が言い渡されてからも、エクレストンへの疑惑は残っており、この問題がエクレストンの引退に発展するのではないかとも言われている。しかし、F1を現在のような世界的スポーツへ育て上げたエクレストンが引退すれば、複数の主要レースがその将来を再考する可能性もある、とエクレストン自身が警告を発した。
先週エクレストンは、「いくつかのレース主催者が、F1から私が姿を消すなら自分たちもF1から消えよう、と言ってくれたよ。それほど、(エクレストンの不在は)不安要素なんだ」とのコメントを残していた。
中でも、近年はF1開幕戦の舞台となってきたオーストラリアGPを主催するオーストラリアGPコーポレーションのトップであるロン・ウォーカーは、エクレストンと旧知の仲。それだけに、エクレストンが引退すれば真っ先にF1開催から手を引くと話している。
「バーニーが引退する時には、私も引退する。長年F1グランプリを主催してきたバーニーの友人たちの中には、私と同じ行動をとるものが数多くいるだろう」とのウォーカーの言葉を、F1記者のクリスチャン・シルトが『Autoweek(オートウィーク)』に寄せた記事で伝えている。
グランプリ主催者の引退イコールその国のグランプリ消滅ではない、とウォーカーは話しているが、最後にこうつけ加えた。
「バーニーがいなくなれば、F1は変わってしまうだろう。バーニーは彼独特の手法でこのスポーツを運営してきたのだから、バーニーがいなくなればF1は見る影もなく様変わりしてしまうだろうね」