元F1ドライバーで、ドイツのモーターレース協会DMSBの会長に就任したハンス・ ヨアヒム・シュトックが、ミハエル・シューマッハ(メルセデスAMG)には再び引退する以外の道は残されていなかったと話している。
F1で前人未到となる7度のタイトル獲得を達成し2006年にF1を引退したシューマッハは、2010年にF1へ復帰したが、復帰後の3年間ではかつてのように輝かしい成績を残すことはできなかった。メルセデスAMGとの契約が切れる2012年末、シューマッハにとってキャリア通算308戦目に当たる今週末のF1ブラジルGPをもって、シューマッハは再びF1から引退することを発表している。
6年前と同じF1ブラジルGPが引退レースとなることについて、シューマッハは次のように話した。
「2006年の引退レースほどは感傷的にならないんじゃないかな。あのときは、(当時所属していた)フェラーリがまだチャンピオン争いをしていて、今よりも緊張感があったんだ」
2008年F1王者ルイス・ハミルトン(マクラーレン)の2013年メルセデスAMG加入を実現するため、43歳のシューマッハが引退を迫られたと言われているが、シューマッハとメルセデスはこの説を否定している。
しかし、元F1ドライバーのシュトックは、シューマッハの引退について「シューマッハに選択の余地はなかったはずだ」と話し、こう続けた。
「メルセデスはルイス・ハミルトンと契約し、ミハエル・シューマッハは彼に見合うシートを見つけられなかったということだ」
復帰以来、一度も表彰台の真ん中に立つことはできなかったが、F1で一番成功したドライバーであるシューマッハの姿が来年以降は見られなくなるのは残念だ、とシュトックは話している。
「シューマッハが若いドライバーたちに挑んでいく姿をもっと見ていたかったよ」