世界各国のメディアは、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が6ポイントのリードを許すセバスチャン・ベッテル(レッドブル)を今シーズンの残り4戦で逆転するのは至難の業だろうと報じている。
ベッテルが韓国GP(第16戦)で優勝し、シンガポールGP(第14戦)、日本GP(第15戦)に続く3連勝でポイントリーダーだったアロンソを抜いてランキングトップに躍り出た。これを受け、イタリア紙『La Gazzetta dell Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は「天才エイドリアン・ニューイ(レッドブルの最高技術責任者)のおかげでベッテルがランキングでリード」と報じ、こう続けた。
「もうアロンソのタイトルは難しいだろう」
イタリアのスポーツ紙『Tuttosport(トゥットスポルト)』もこれに同調する。「世界タイトルがアロンソから遠ざかり始めた」と同紙は報じ、次のように続けている。
「韓国でアロンソが失ったものは、タイトル争いのリードだけではない。すべての希望まで失った」
「再び優勝を逃した時のショックに備えて、アロンソはすでに心の準備を始めている」
『Carrier della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』紙に至っては、「アロンソがベストドライバーであることに今も変わりはないが、クルマのパフォーマンスが彼の能力に追い付かない」と報じた。
アロンソは韓国GP中、「ベッテルには“ベストのクルマ”があるが、フェラーリは“ベストのチーム”だ」と述べている。
しかし、前出の『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』紙は、「タイトルを獲得するためにはベストのクルマとベストのチーム両方が必要だ」と指摘する。
アロンソの母国であるスペインのメディアでさえ、あきらめムードだ。
『Diario Sport(ディアリオ・スポルト)』は、「ベッテルが新たなポイントリーダー。彼には最強のクルマがある」と伝えれば、『Marca(マルカ)』は「もう誰もベッテルを止められない」とすっかりお手上げの様子。
フランスの『Le Figaro(フィガロ)』紙は、「これから数週間、アロンソはなすすべもなく、力不足のフェラーリのクルマでかじをとることになる」と表現すれば、オーストリアの『Kronen Zeitung(クローネン・ツァイトゥング)』紙は、「ベッテルがタイトル最有力候補」と断言する。
また、イタリアの『La Repubblica(レプブリカ)』紙は、次のように締めくくった。
「アロンソは韓国で失望を隠しきれなかった。ついに歯車が狂い始めた」