マクラーレンの両ドライバー、ジェンソン・バトンとルイス・ハミルトンがタイトル争いに白旗を上げた。
セバスチャン・ベッテル(レッドブル)が優勝を飾る一方、フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)はリタイアに泣くという、タイトル争いを繰り広げる両者の明暗がくっきりと分かれた日本GP(7日決勝)。この結果、ランキングトップのアロンソと2位ベッテルの差はわずか4ポイントにまで縮まった。
数字的には、アロンソと42ポイント差にある現在4位のハミルトンにもタイトルの可能性がないわけではない。しかし日本GP終了後、ベッテルとアロンソの2人に言及しつつ、ハミルトンはこう語った。
「何が起こってもおかしくはないけれど、実質的には(ベッテルとアロンソの)一騎打ちだ」
ハミルトンのこの言葉を受けてか、チームメートのバトンも「そんな感じだよね」と同調した。
マクラーレンのチーム代表マーティン・ウィットマーシュでさえも、「彼(アロンソ)にはプレッシャーが重くのしかかっている。ただ率直に言うと、われわれからというよりはむしろセバスチャンからだがね。もっともわれわれも幾分かは差を縮めてはいるし、まだ5レースも残っている」
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーもまた、アロンソとベッテルの2人がタイトルの最有力候補だとした上で、「もちろん、ほかのドライバーを除くことはできない。残り5戦を通して最高の走りを見せた者が、最終的な勝者となるだろうね」と続けた。
アロンソとベッテルによる一騎打ちの様相が強まる中、日本GPにおける両者のマシンの状態を比較すると、大部分の専門家がベッテル有利と考えているようだ。
ブラジル紙『O Estado de S.Paulo(オ・エスタード・ジ・サンパウロ)』の記者リビオ・オリッキオは次のように述べている。
「まるで2010年シーズンを見ているかのようだ」
「異なる点は、ベッテルが成長していること、アロンソとの差が4ポイントしかないことだ。2010年は残り5戦の状況で、5位につけるベッテルとトップとの間には24ポイントもの差があった」
なお今回は残念な結果に終わったアロンソは、日本を出発する際、「敵が山にいるとすれば海から攻めるし、海にいるのであれば山から攻めるだけだよ」と気丈に振る舞っていた。
アロンソのこの言葉に対して、スペインのメディア『El Confidencial(コンフィデンシアル)』の記者ハビエル・ルビオは「その通り、しかし海から攻めるには船がいる」とコメントしつつ、フェラーリの幸運が下がり始めていることにも言及した。
これに同調するかのように、イタリアのスポーツ紙『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』も、日本GPにおけるレッドブルの支配力は「恐ろしい」ものであったとし、「フェラーリのチャンピオンシップが終わっていないことを祈るだけだ」と神にもすがるコメントを掲載している。
ちなみにアロンソの母国スペインのスポーツ紙『Marca(マルカ)』が行った調査では、4,700に及ぶ投票数のうち47.7パーセントがアロンソのタイトルを、47.1パーセントがベッテルのタイトルを、それぞれ予想しているとの結果が出たそうだ。
そして残りの内訳は3.6パーセントがキミ・ライコネン(ロータス)、1.6パーセントがルイス・ハミルトンとなっている。