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F1イギリスGPのみどころ

2012年07月05日(木)13:07 pm

バレンシアで開催された前戦ヨーロッパGPで、母国の英雄フェルナンド・アロンソ(フェラーリ)が感動の優勝。そして今週末は、伝統のシルバーストンでイギリスGPが開催される。

・開催サーキット
イギリスGPが開催されるのは、シルバーストン・サーキット。F1が世界選手権となった1950年に、記念すべき開幕戦を開催した歴史あるサーキットだが、2010年から大規模な改修を実施。昨年からは、ピットビルディングやスタート位置が変更になった。

新たなスタート位置は、クラブコーナーを抜けた先、アビーコーナー手前のストレートにある。2010年から新たに追加された区間の手前にある短いストレート上だ。新区間には低速コーナーもあるが、コース全体としては以前と同様に、高速コーナーが多くなっており、空力が非常に重要なサーキットのままだ。

高速コーナーではタイヤに大きな負荷がかかることから、タイヤの摩耗が激しいサーキットでもある。そのためピレリは、硬めの組み合わせであるソフトとハードのドライタイヤを持ち込む。ソフトはタイヤ側面のロゴが黄色、ハードはタイヤ側面のロゴが銀色になる。決勝では、雨用のタイヤを使用しない限り、この2種類のドライタイヤ両方を使用しなければならない。

・雨が降る可能性も?
イギリスは、天候が変わりやすいことで知られている。シルバーストンもその例外ではなく、毎年、天候が大きな話題になるレースだ。予選で雨が降った場合には、そのときの路面状況に最適なタイヤを使用しない限り、トップチームのクルマでも予選Q1で脱落するなどの大波乱が起こることも予想される。

決勝が雨になった場合にも、路面状況に応じた最適なタイヤを選択することが欠かせない。特に路面状況がレース中に変わっていく場合には、タイヤを交換するタイミングをうまく見極める必要がある。

週末の間に使える雨用のタイヤは、路面の水量が少ない時用のインターミディエイトが4セット、水量が多い時用のウエットが3セットに限られる。そのため、決勝で雨が予想される場合、フリー走行や予選で雨用タイヤを使いすぎず、温存することも考える必要がある。

・レッドブルが再び圧倒的な強さを見せる?
前戦ヨーロッパGPでは、予選と決勝でレッドブルのセバスチャン・ベッテルが驚異的な速さを見せた。昨年まで2年連続で圧倒的な速さを見せてF1王者になりながら、今年はベッテルとチームメートのマーク・ウェバー(レッドブル)が1勝ずつ挙げているものの、昨年までのような強さは見せられていなかった。

しかし、ヨーロッパGPの予選でベッテルは、2番手に約コンマ4秒もの大差をつけてポールポジションを獲得。決勝でも、序盤から後続を引き離し、大きなリードを築きあげた。このレッドブルの速さにはライバルも注目しており、レッドブルのクルマがルールに違反しているのではないかといううわさが再燃したほどだ。シルバーストンは、レッドブルが得意とする、空力が重要な高速サーキット。混戦になっている今季F1で、ついにレッドブルが頭ひとつ抜け出すのか注目だ。

・優勝争いは?
空力が重要になるサーキットということもあり、先述のようにレッドブルが優勝候補の筆頭に挙げられる。しかし、ライバルチームも開発を進めてくることから、改良がうまくいけば優勝を狙えるだろう。特に、開幕から大きく進化し、現在フェルナンド・アロンソをランキング首位に立たせているフェラーリがどんな走りを見せるのか注目したい。

また、イギリスGPが母国レースになるマクラーレンにも、もちろん優勝の可能性はある。そして、未知数なのがロータス勢。今年はトップチームと同等の速さを見せることもあるロータス。前戦ヨーロッパGPでも、ロメ・グロジャン(ロータス)がレース序盤に優勝を争ったが、最終的にはトラブルでリタイアした。また、ロータスは気温の低いコンディションが苦手とされている。雨の可能性も高く、低い気温が予想されるシルバーストンで、ロータスがコンディションに対応できるのか楽しみだ。

そして、スペインGPで優勝したウィリアムズにチャンスがあるとの意見も出ている。スペインGPが行われたカタルーニャ・サーキットも、シルバーストン同様に空力が重要になるサーキットであるためだ。ウィリアムズもシルバーストンに新パーツを持ち込むとみられており、シルバーストンではウィリアムズからも目が離せない。

・小林可夢偉、ザウバーの動向は?
今年、最もうまくタイヤを使えているとされるザウバー。ウィリアムズが優勝したスペインGPの決勝では、ザウバーもトップレベルの速さを見せていた。そのため、ザウバーがイギリスGPの優勝候補になるのではないかという意見もある。実際に、チーム代表のペーター・ザウバーも「われわれはシルバーストンでも強いはずだ」と力強いコメントを残していた。

また、シルバーストンは雨がらみのレースになる可能性が高いが、同じく決勝が雨がらみになったマレーシアGPでは、セルジオ・ペレス(ザウバー)が最後までアロンソと優勝を争っていた。結局ペレスはミスで優勝を逃したが、クルマの純粋な速さはペレスの方が上だった。決勝中に天候が変わる場合には、適切なタイヤを選ぶことが不可欠だが、予選で上位グリッドを獲得し、戦略でミスすることなく戦えれば、ザウバーにも大きなチャンスが見えてくるかもしれない。

天候も気になるF1第9戦イギリスGPは、6日(金)現地時間10時(日本時間18時)に開幕。決勝は、8日(日)現地時間13時(日本時間21時)にスタートする。

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