フェラーリの目標は、いきなりのジャンプアップより1戦ずつ着実に前進すること。こう語ったのは、来週末に母国スペインGPを迎えるフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)だ。
イタリアのムジェロで行われているF1合同テストで現行マシンに大改造を施したフェラーリの「B型」がデビューしなかったことから、地元イタリアのマスコミからは失意の声も聞かれた。
「少しずつの前進だよ。スペインで一歩、次のモナコ(27日決勝)でまた一歩、そしてカナダ(6月10日決勝)でさらに一歩」とアロンソは『La Stampa(ラ・スタンパ)』紙に話す。
また、もし開幕4戦の競争力でシーズンを通じて戦ったら今季は制覇できないだろうとアロンソは次のよう続けた。
「予選でQ3に残り、決勝ではトップ5を争うこと。そして毎レース、2台ともポイントを獲得しなきゃね」
タイトル奪取は果たして現実的な目標だろうか。アロンソはこう答える。「僕らは悲観しない。明るく考えようよ」
戦闘力が低いマシンでも攻め続ける。オーストラリアでもマレーシアでも、そして中国やバーレーンでもアロンソがやってみせたことだ。
「とても高いところを綱渡りするようなレースだったね」と2005年と2006年のF1王者でもあるアロンソはこれまでの戦いを振り返る。
「予選で縁石に引っかけるとか、レース中にブレーキングをしくじるとか、何かひとつやらかしただけでトップ10には残れない。最速マシンは持っていないかもしれないけど、僕らはフェラーリだ。そこそこのクルマで十分さ」
「僕は予選番長でも、雨のスペシャリストでも、市街地コースが得意なわけでもない。でも僕は、あらゆる点で10点満点の9.5を目指すようにしているんだ」