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ピレリ「デグラデーションが重要な要素だった」

2012年04月23日(月)18:44 pm

セバスチャン・ベッテル(レッドブル)とキミ・ライコネン(ロータス)がレース中盤に横並びの状態になるトップ争いを繰り広げたバーレーンGP。タイヤサプライヤーのピレリは、タイヤの性能低下を意味するデグラデーションがレースの重要な要素になったと振り返っている。以下、ピレリジャパンのプレスリリース。

2012年4月22日、バーレーン
セバスチャン・ベッテルは、正しいタイヤ戦略によって、バーレーンGPで今シーズン初勝利を挙げました。
ベッテルは、予選でポールポジションを獲得し、決勝では3ストップ戦略を選択して、自己22回目の優勝を果たしました。開幕から4戦が終了し、異なる4チームが各レースを制し、ベッテルは4人目のドライバーズ選手権ポイントリーダーとなりました。

ベッテルは、P Zeroイエロー・ソフトタイヤでスタートし、11周後、P Zeroホワイト・ミディアムへ交換しました。その後、P Zeroイエロー・ソフトへとつなぎ、最終スティントでP Zeroホワイト・ミディアムを使用しました。

バーレーンは、砂によってダーティーになりがちなトラックと、リアタイヤにトラクションを要求する中・低速コーナーの存在のため、タイヤのデグラデーションに関して、今シーズンで最も厳しいサーキットのひとつです。

レースは、時おり強い風が吹く、路面温度32℃前後の比較的涼しいコンディションでスタートしましたが、結果的には、57周のレースを通じて、熱によるデグラデーション対応を含むタイヤマネジメントが不可欠なスキルとなりました。

大半のドライバーが3ストップ戦略を採りましたが、フォース・インディアのポール・ディ・レスタは、2ストップ戦略を選択しました。タイヤ温存のために予選Q3でタイム計測を行わず、10番グリッドからスタートしたディ・レスタは、最終スティントをミディアムタイヤで24周走行し、6位入賞を果たしました。ディ・レスタの直前の5位になったのは、メルセデスのニコ・ロズベルグでした。彼は、Q3で1回のアタックしか行わず、ソフトタイヤを1セット温存していました。

元世界王者、ロータスのキミ・ライコネンは、予選Q3には進出できず、11番グリッドからスタートしました。しかし、彼もまた、数セットの新品タイヤをレース用に温存できたことになります。ライコネンは、この点を活用し、レース中盤から首位のベッテルを猛追しました。この時、ライコネンはミディアムタイヤを、ベッテルはソフトタイヤを装着していました。

同一周回でのピットストップ後の最終スティントでは、両ドライバーはミディアムコンパウンドを使用しました。ベッテルは、最終スティント序盤からタイヤをアグレッシブに使い、ライコネンを引き離しました。しかし、対照的にスティント序盤でタイヤをケアしていたライコネンは、終盤、再びベッテルとの差を詰めました。

メルセデスのミハエル・シューマッハも3ストップ戦略を採り、ギアボックス交換ペナルティーによる22番グリッドのスタートから、ポイント圏内まで復活してフィニッシュしました。

ピレリ・モータースポーツ・ダイレクター ポール・ヘンベリーのコメント
「われわれがこれまでレースを経験していないこのサーキット上で、まさに技術的に厳しいレースが展開されました。多くの戦略を立てることができるように、われわれはソフトコンパウンドとミディアムコンパウンドを選択しました。既に予選における戦略からも明らかであったように、デグラデーションがこのレースの重要な要素でしたが、タイヤは、課せられた要求に対して十分に対応していたと思います」

「レース終盤、ドライバーたちの最優先課題は、タイヤがパフォーマンスの“崖(がけ)”から落ちないようにすることでした。彼らは、このタスクを非常によくマネージしていたと思います。コンパウンド間の性能差を縮小させたことにより、今シーズンは接戦となっています。4つのレースで4人の優勝者が登場していることが、それを物語っています」

「ロータスの両ドライバーが表彰台に上ったことも見事でした。そして、われわれのかつてのテストドライバー、ロマン・グロージャンが初めて表彰台を獲得したことは素晴らしいことです。彼は、2010年われわれとともにバーレーンでテストを行っており、その経験が彼にとって役立ったようです。キミについては、われわれのラリータイヤからP Zero レースタイヤへ、移行を完了したようです!」

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