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フェラーリ、プルロッド式フロントサスペンションを断念?

2012年03月26日(月)16:22 pm

フェラーリがプルロッド式サスペンションを捨てる可能性があるとイタリアのメディアが報じた。

フェラーリは、昨年からデザインを一新させた野心的な2012年型車F2012を開発。しかし、ライバルチームに比べて競争力が劣り、開幕前のテストから苦しい戦いが予想された。先週末のマレーシアGPでは、天候の変化を味方につけてフェルナンド・アロンソがフェラーリへ優勝をもたらしたが、開幕戦オーストラリアGPでは2台とも予選でトップ10を逃し、表彰台を争える状態ではなかった。

アロンソの母国スペインのスポーツ紙『AS』もイタリアメディアと同様の報道をしており、改良版のマシンは早ければ来月、遅くとも5月のスペインGP(5月13日決勝)には登場するのではないかと伝えている。

また『AS』は、「フェラーリが革新的なフロントサスペンションもあきらめるかもしれない」と伝えた。

車体とタイヤをつなぐサスペンションは、路面の凹凸を吸収するだけではなく、タイヤがより強く路面へ接地することを助ける役割もあり、クルマのパフォーマンスにとっては非常に重要なパーツ。大きく分けてプッシュロッド式と、プルロッド式があり、プッシュロッドではタイヤが持ち上がるときにロッド(棒状のパーツ)がスプリングなどを押すことで作動し、正面から見るとロッドがハの字になっている。

これに対しプルロッドでは、タイヤが持ち上がるときにロッドがスプリングなどを引っ張ることで作動し、正面から見るとロッドは逆ハの字だ。現在のF1では、フロントサスペンションをプッシュロッド式にすることが一般化していたが、フェラーリはプルロッドを採用。プルロッド式は、サスペンションなどのパーツを車体の下に設置することから、低重心化できることがメリットの1つだが、フェラーリは空力面の影響も考慮してプルロッドを採用したと言われていた。

F1でプルロッドが採用されたのは、2001年のミナルディ以来11年ぶりのことである。ちなみに偶然にも、現在フェラーリで走るアロンソは、2001年にミナルディからF1にデビューしていた。

『O Estado de S.Paulo(オ・エスタド・ジ・サンパウロ)』紙によると、フェラーリの広報担当ルカ・コラジャンニはこの報道を否定したという。

「しかし、根も葉もないウワサと片付けていいものか、確信は持てない」と記事は伝えている。

スペイン紙『La Gaceta(ラ・ガセタ)』が、急ピッチで計画が進んでいると伝えられるF2012大型改良版投入について、マレーシアGPでアロンソに聞いた。

「新しいクルマが出てくると書くのは自由だ」とアロンソは答え、こう続けた。

「僕たちだけのことじゃない。どのチームも毎レース改良を進めてくるものだよね。僕たちに必要なのは、とにかくもう少し自分たちの仕事を進めることだ」

「1戦ごとに、新しいパーツが少しずつ出てくるだろう。それがうまくいってくれればいいと思う。でも、魔法みたいに、1回のレースである瞬間突然に物事が変わるなんてことはあり得ない」

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