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シャルル・ピックを取り巻く環境に不満をもらすマネジャー

2012年03月06日(火)10:31 am

今年マルシャからF1デビューを果たすシャルル・ピックだが、F1ルーキー・イヤーを取り巻く環境は“悲しく、ストレスが溜まる”ものだ。このような不満を漏らしているのは、ピックのマネジャーを務めているオリビエ・パニスだ。

パニス自身もかつてはF1ドライバーとして活躍した経験があり、1996年のモナコGPで優勝を飾ったほか、トヨタでもレースドライバーを務めた。また、マクラーレンのテストドライバーとしてF1に関わっていた時期もある。

パニスと同じくフランス出身で潤沢(じゅんたく)なスポンサー支援を確保しているピックは、経験豊かなドライバーのティモ・グロックのチームメートとして、3月16日(金)のメルボルンで開催される開幕戦オーストラリアGPで念願のF1デビューを果たす予定だ。ところが、マルシャのドライバーたちは、2012年仕様の新車を合同テストで走行することができなかった。

開幕戦が来週末に差し迫っているにも関わらずマルシャの新車は、F1の統括団体であるFIA(国際自動車連盟)が義務付けている衝突時の安全性を確認するためのクラッシュテストで承認を得ていない項目が残っている。今年から新車が実際にサーキットで走行するためのルール規制が厳しくなり、クラッシュテストの全項目をパスしていないクルマはテストにすら参加することが認められなくなった。このため、マルシャはシーズン前の合同テストで新車を投入できなかったのだ。

このようなピックの状況について尋ねられたパニスは「悲しいし、ストレスが溜まる」と不満を抱えていることを認めた。そして「彼にとっては難しい船出になるだろうね」と『RMC』に語っている。

マルシャと共に常に最後尾集団を形成しているHRTもこの冬は苦労を重ねている。HRTは5日(月)にようやく新車をお披露目し、初走行も行なうことができた。レッドブルやフェラーリといった巨額の予算がある大規模チームではない彼らにとって、厳格化されたクラッシュテストに関するルールは大きなハードルとなって行く手を阻んでいる。

だが、F1の最高権威者であるバーニー・エクレストンはマルシャやHRTに同情してはいないようだ。

「もし物事を現状よりもシンプルにしようとするのであれば、コンマ1秒の中でトップ争いを演じている連中に基準を合わせるだろうね。それが勝者と敗者の違いだ」とエクレストンは『Sun(サン)』紙に自身の考えを述べている。

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