F1にタイヤを供給しているピレリのモータースポーツ責任者であるポール・ヘンベリーは、2012年シーズンはこれまでのF1の歴史の中でも、最も激しい競争が繰り広げられることになるだろうとみている。
ヘンベリーが注目しているのは、今シーズンは6人ものF1世界チャンピオンが争うことになるという事実だ。実に、全エントリー台数24台のうち、その4分の1がタイトル獲得経験者によって占められることになる。
ヘンベリーは、フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』に次のように語っている。
「多分、(F1の予選が)かつてないほどの高いレベルになるだろう。それに、まだタイトルを獲得したことのない素晴らしい才能を持ったドライバーたちが他にもいるということを計算に入れれば、より一層のことだ。もし、それぞれのクルマと(ドライバーの)パフォーマンスのレベルが同じくらいだったとしたら、驚くほどのいいレースが展開されるだろう」
ヘンベリーは、今年F1復帰を果たす2007年度のF1チャンピオンであるキミ・ライコネン(ロータス)についての意見を求められたとき、少々控えめに次のように述べている。
「これまで彼とは2度会ったことがあるよ。物静かな人だね。ともかく、私たちは一定の距離を保つようにするよ。ドライバーは、何か必要なことがあるときにはわれわれのほうに近づいてくるからね」
ライコネンは、今週バレンシアでピレリのデモンストレーション用タイヤを使ったテストを行なったが、ヘンベリーはライコネンのピレリタイヤ初体験に関しては何も明らかにせず、次のように語ったのみだった。
「われわれは一切、関与していなかったんだ。それはロータスが独自に行なったことだったからね。もちろん、(ライコネン)のコメントは見ているし、彼がかつて知っていたもの(タイヤ)と比べれば、かなりの違いがあるだろう。でも、キミはF1における最もたぐいまれなドライバーのひとりだから、すぐに慣れると思うよ」