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“空力の天才”ニューウェイの新発見か?レッドブルF1が秘密にしていた『3つの吸気口』

2024年02月21日(水)23:56 pm

2023年は22戦21勝という圧倒的な強さを発揮した王者レッドブルF1が、大胆にマシンコンセプトを変更してきたことが注目を集めている。

この画像は、21日にレッドブルF1が公開したフィルミングデー(撮影日)の時の写真だ。新車発表会でもエアインテーク(吸気口)は明かすことなく、このフィルミングデーも雨が降っていて天候も悪く詳細は見えにくい。レッドブルが今年ギリギリまで隠したかったのは“秘密の吸気口”だったようだ。

■秘密にしていた3つの吸気口

1つ目はヘイローの内側、ヘルメットの左右に吸気口が見えている(写真の丸い緑)。ここから吸入された空気はエンジンカウル内の膨らんだ“トンネル”を通って、後方のエキゾーストパイプの左右から排気しているようだ。同時に、エンジンカウル内のエンジンなどを冷やす効果も狙っているようだ。

2つ目は横長の吸気口で、まるでスプーンを裏返したように先端が丸みを帯びてやや下がっている。ここの吸気口の高さは、サイドポッドの上面から赤いライン(BYBITロゴ部分)までで、前方から見ると非常に小さな面積だ。

3つ目は縦長の吸気口だ。これは上記の横長の吸気口とは分離されており、まるで昨年序盤にメルセデスF1が捨て去った“ゼロポッド”の縦長吸気口に似ている。空力の天才エイドリアン・ニューウェイはかなり研究したのだろう。

■天才ニューウェイの新発見か?


2023年シーズンをF1史上最高の勝率で圧勝したレッドブルのRB19

通常サイドポッドの吸気口は大きく1つだけ空いており、昨年圧勝したレッドブルF1もその形状だった。実際に、昨年のレッドブルのようなスタイルのマシンがトレンドになっている。

しかし、エイドリアン・ニューウェイが吸気口をわざわざ3分割したということは、空力的に大きなメリットを発見したはずだ。

実際、どの程度の効果を発揮しているのかは明かさないだろうが、テスト1日目の午前中をスムーズに走り、トップタイムで終えたという事実から、パッケージとして優れているということは分かる。もしこのコンセプトが速ければ、メルセデスF1のゼロポッドと縦長の吸気口は部分的には素晴らしいアイデアだったものの、限られた時間で全体パッケージとしてうまくまとめ上げることができなかったということになる。

すでに他チームのデザイナーはパソコン上でその新しい形状を分析し、その効果を確認しているはずで、数週間後にはコピーしてくるチームが出てくるかもしれない。

しかし、空力はフロントからリアまで全体の流れが重要で、一部の吸気口だけを変更すればいいというものでもないことから、完全なコピーにはかなりの時間を要するだろう。

2023年シリーズを圧勝してもなお新しい挑戦を続けるニューウェイ。今年もライバル勢の一歩先を行く可能性が高そうだ。

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