ジョージ・ラッセル(メルセデス)が、自分のペースが上がらない理由はわかっていると主張した。
■2022年シーズンはハミルトンに勝ったラッセル
メルセデスの育成ドライバーであったイギリス出身のラッセルは、2019年から3シーズンをメルセデスエンジンを搭載するウィリアムズで戦い、満を持して2022年にトップチームであるメルセデスに移籍している。
その2022年はレッドブルとマックス・フェルスタッペンが圧倒的な強さを見せてF1を支配。それまで8年間にわたってコンストラクターズ選手権を制覇してきたメルセデスは不振に陥ってしまった。
しかし、そうした中でラッセルは7度F1チャンピオンとなった実績を持つチームメートのルイス・ハミルトンにも劣らぬパフォーマンスを見せ、ドライバーズランキングではハミルトンに35ポイント差をつけて4位となり、6位に沈んだハミルトンを上回ってみせた。
■2023年シーズンは精彩を欠くラッセル
ところが、迎えた2023年シーズンはハミルトンが調子を上げた一方で、ラッセルは精彩を欠く状況となっている。
ハミルトンがここまでに2位3回、3位3回と合計6回表彰台に上っているのに対し、ラッセルは第8戦スペインGPで3位となったのが唯一の表彰台だ。ドライバーズランキングも現時点ではハミルトンが220ポイントを稼いで3番手に位置しているのに対し、ラッセルは151ポイントで8番手となっている。
しかも、シーズンが終盤に入った今、ハミルトンが直近の2レースをいずれもフェルスタッペンに次ぐ2位でチェッカーを受けた(アメリカGPはレース後に失格)ものの、ラッセルはアメリカで7位(ハミルトンとシャルル・ルクレールの失格により公式記録は5位)、メキシコで6位と今ひとつ波に乗れずにいる。
これは、メルセデスが行ったマシン改良がラッセルにはあまりあっていないのではないかと考えている者もいるようだ。
■ペースが上がらない理由はマシン改良ではなく別の理由
しかし、ラッセルは次のように語り、それを否定している。
「新しいアップグレードはいい感じだよ」
「過去2戦は本当に悪かったけれど、それには違う理由があったんだ」
「僕はここに座って、なぜペースが上がらないのかと頭を掻きむしっているような状況ではないんだ。なぜなら、このような問題がなければ速さはあったはずだというのがわかっているからね」
「言い訳はしたくないんだ。正直なところ、僕もアップグレードされたのを感じることができる。だけど、マシンに大きな違いはないんだ。ただ、ダウンフォースが増えただけさ」
そう語ったラッセルだが、ハミルトンと自分のドライビングスタイルが違うため、それぞれ独自の空力セットアップを採用していることも認めている。
ラッセルが、昨年F1初優勝を遂げたインテルラゴスで今年どういう走りを見せるかにも注目したいところだ。