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メルセデスF1のドライバーたちが主張「不振を元テクニカルディレクターのせいにするのは間違い」

2023年11月03日(金)19:48 pm

メルセデスのドライバーを務めるルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルが、2022年から今年にかけてメルセデスが投入した“ノー・サイドポッド“と呼ばれる独特なマシンコンセプトは失敗に終わったものの、それを元テクニカルディレクターのマイク・エリオットのせいにするのは間違っていると主張した。

■失敗に終わったユニークな「ノー・サイドポッド」コンセプト

イギリス出身エンジニアのエリオットは、2021年7月にメルセデスのテクニカルディレクターに就任し、新たな技術レギュレーションが導入される2022年型マシンの開発をリードする立場に立っていた。

そして、メルセデスは2022年シーズンにはエリオットが中心となって開発したサイドポンツーンが極端にえぐられた斬新なコンセプトによるマシンを投入し、多くの注目を集めた。

ところが、そのマシンは期待されたパフォーマンスを発揮することができず、2022年にはメルセデスがそれまで8年間にわたって守り続けてきたコンストラクターズチャンピオンの座をレッドブルに明け渡すとともに、フェラーリにも追い越されてしまった。

■アリソンを復帰させマシンコンセプトを変えたメルセデス

2023年型マシンも当初はその“ノー・サイドポッド“コンセプトが継続されたものの、やはり結果を出すことができず、4月下旬にエリオットがテクニカルディレクターのポストから外され、2021年6月までテクニカルディレクターを務めていたジェームズ・アリソンが復帰している。

その後、メルセデスはシーズン途中から全く異なるコンセプトのマシンに切り替えたが、それ以降メルセデスF1マシンのパフォーマンスは改善の兆しを見せており、アメリカGPではレース後に車両規定違反で失格になったものの、ハミルトンは最近の2レースではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に次ぐ2番手でチェッカーを受けている。

メルセデスは、2024年には「完全に新しいマシン」の投入を計画していると伝えられているが、そうした中、エリオットがチームを離脱したことが今月1日に発表されている。

■エリオットを責めるわけにはいかないとハミルトン

だが、エリオットと同じイギリス出身のハミルトンは、今週末に第21戦サンパウロGP(5日決勝)が行われるインテルラゴス・サーキットにおいて、メルセデスの2022年以降の不振をエリオットのせいにするべきではないと次のように語った。

「彼の契約は終わりに近づいていたし、彼は出ていくことを決断したんだ」

「僕たちは彼を否定的に見ることはできないよ」

■1人の責任ではなくチームの責任だとラッセル

また、同じくイギリス出身ドライバーであるラッセルも、2023年型メルセデスF1マシンに言及しながら次のように語った。

「悪いクルマじゃないよ。そして、成功は決して1人の力では成し遂げられない。常にチームとして取り組むものなんだ」

しかしラッセルは、メルセデスが2022年と2023年の間に大きく飛躍することを「望みすぎた」ことから、軽率な開発判断を下してしまうという基本的な過ちを犯していたのだと考えている。

「これからはもっと徹底的に仕事をすることになるだろうね」

そう語った25歳のラッセルは、次のように付け加えた。

「僕たちは無理をせず最も重要な弱点に限定することになる。そして、すべての決断はこれから2回ではなく3回疑問視された上で明確にされることになるよ」。

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