フェラーリのチーム代表を務めるフレデリック・バスールが、F1サーキットが現在問題となっているトラックリミット問題を解決できないのは「容認できない」し「不適切」だと主張した。
2023年のF1も、いくつかのレースでトラックリミットの問題が大きく取り上げられている。
■カタールでもトラックリミット違反が多数発生
7月に開催された第10戦オーストリアGPではなんと1200回ものトラックリミット違反がカウントされたと伝えられているが、先週末に第18戦カタールGPが開催されたルサイル・インターナショナル・サーキットでも決勝で数多くのトラックリミット違反が発生していた。
FIAの公式記録によれば、少なくとも4人のドライバーが複数回のペナルティーを受けているが、ペナルティーには至らずとも、トラックリミット違反の数そのものはかなりの数にのぼっていたはずだ。
FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムはこの状況に激怒しており、この問題を解決し、白線内にドライバーを留めておくことができないサーキットはF1カレンダーから追放される可能性すらあると警告している。
■観客の立場に立ってみろとフェラーリF1チーム代表
今季からフェラーリF1チームを率いているフランス出身のバスールもその意見に諸手を挙げて賛成しているようだ。
「私は画面に映し出されるものを見る視聴者の気持ちが想像できるよ。彼らのほとんどは何が起こっているのかわからないはずだ。彼らに見えるのは『ガスリー5秒』、『ガスリー10秒』、『ガスリー15秒』という表示だけだからね」
先週末のカタールGP決勝でのトラックリミット違反により、5秒ペナルティーを3回受けてしまったピエール・ガスリー(アルピーヌ)を例にあげながらそう語ったバスールは、次のように続けた。
「カタールのオーガナイザーのように、サーキットの近代化には多額の資金を投じているにもかかわらず、雨あられのようにペナルティーが出るのは受け入れられないよ」
「私に言わせれば、これはF1には不適切だ。我々は何か手を打たなくてはならないよ」
■必要なのは根本的解決策を見つけること
バスールは、カタールの“高温”と“高湿度”が一部のドライバーの集中力や視力に大きく影響したことがトラックリミット違反増加の理由のひとつだったかもしれないことを認めつつ、次のように付け加えた。
「しかし、我々はこの問題の根本的な解決策を見つけなければならない。これはショーにとってひとつも良いことではないよ」