【レッドブル】ペレスは“悪循環”から抜け出す必要があるとチーム首脳
2024年までレッドブルとの契約があるものの、33歳のメキシコ人ドライバーであるセルジオ・ペレスの将来に暗雲がたち込めてきているのは間違いなさそうだ。
●【2023F1第18戦カタールGP】決勝レース・全セッションの結果
先週末には2023年F1第18戦カタールGPがルサイル・インターナショナル・サーキットで開催されたが、土曜日に行われたスプリントで2位となったマックス・フェルスタッペン（レッドブル）が2021年から3年連続となるドライバーズタイトル獲得を確定させた。
■カタールGPも厳しい結果で終えてしまったペレス
数字上はそれまで唯一タイトル獲得のチャンスが残されていたペレスだったが、スプリントではエステバン・オコン（アルピーヌ）とニコ・ヒュルケンベルグ（ハース）のクラッシュに巻き込まれてリタイアとなり、その瞬間にタイトル獲得のチャンスがほぼ完全に消滅していた。
ペレスはそのスプリントを8番グリッドからスタートしていたが、もっと上位グリッドからスタートできていれば、中団での順位争いに巻き込まれることもなく、フェルスタッペンのその日のタイトル獲得を阻止することができていたかもしれない。
さらに、金曜日に行われた日曜日の決勝に向けた予選を13番手でQ2敗退という結果で終えていたペレスだが、スプリントでのクラッシュでダメージを負ったマシンに新たなシャシーと規定数を超えるPU（エンジン）コンポーネントが投入されたことで、決勝はピットレーンからのスタートとなっていた。
そして、その決勝でも、ペレスは度重なるトラックリミット違反により3度も5秒ペナルティーを受けてしまい、10位でフィニッシュするのがやっとだった。
■ペレスと話し合う必要があるとクリスチャン・ホーナー
ドライバーズランキング2位を争う直接のライバルであるルイス・ハミルトン（メルセデス）が決勝スタート直後にチームメートのジョージ・ラッセルとクラッシュしてリタイアしたこともあり、現時点ではペレスがハミルトンに30ポイント差をつけてランキング2番手の座をキープしている。
しかし、最近のレースではハミルトンがペレスをしのぐパフォーマンスと結果を残していただけに、今季の残り5レースでハミルトンがペレスとの差をさらに縮め、射程内に収めてくる可能性も小さくはないだろう。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、カタールGP決勝後にペレスに関して次のように語った。
「何が起こったのかを理解するために彼と話をする必要があると思う」
■「お粗末な週末だった」と認めるペレス
ペレス自身は、トラックリミット違反により3回の5秒ペナルティーを受け、トータルで15秒も失うことになってしまった理由について次のように説明している。
「僕には、コースの限界が正確にどこなのかを判断するのが難しかったんだ」
「僕からすれば、土壇場になってこんな変更を行うなんて、全て冗談にしか思えないよ」
ピレリのF1タイヤの耐久性に疑問が生じたことで土曜日に突然一部コーナーのトラックリミットが修正されるとともに、決勝の直前になってタイヤの最大周回数が18ラップまでと決められるなどの混乱があったことに言及してそう語ったペレスは、次のように付け加えた。
「悔しいレースだったよ。チームを失望させてしまったことですごくがっかりしている。お粗末な週末だったよ」
■ペレスにはすぐに悪循環から抜け出す必要が
ホーナーはそんなペレスに関して、次のように語っている。
「彼は厳しいレースをし、非常に厳しい週末を過ごしたが。我々は彼を全力でサポートし続けるつもりだ」
「彼はまだドライバーズランキングでは2番手にいる。だが、彼にはすぐに調子を取り戻すことが必要だ」
また、レッドブル首脳であり、レッドブルとそのセカンドチームであるアルファタウリのドライバープログラム責任者でもあるヘルムート・マルコもペレスに対して苦言を呈している。
「彼（ペレス）は、この悪循環から抜け出さなければならない」
テレビ局『Sky Deutschland（スカイ・ドイチュランド）』にそう語った80歳のマルコは、次のように付け加えた。
「間には速い周回もあったが、ペナルティーをこれほど受ければ、なんの役にもたたないよ」
もし、2週間後の第19戦アメリカGP（22日決勝）から始まる3連戦でペレスの調子が上がってこなければ、レッドブルとしても来季に向けてペレスとの契約を見直す必要があると判断せざるを得なくなる可能性もありそうだ。
