セルジオ・ペレスの父親が「息子がレッドブルF1に雇われたのは2位になるためでありそれを尊重する必要がある」と認めた。
●【2023年F1チャンピオンシップ・ランキング】第17戦F1日本GP終了後
先週末に鈴鹿サーキットで行われた2023年F1第17戦日本GP決勝で2つの5秒ペナルティーを受けるとともに最終的にはリタイアで終えたことで、ペレスに関する新たな噂が渦巻いている。
■ペレスが来年もレッドブルで走ることはないとラルフ・シューマッハ
メキシコ人ドライバーである33歳のペレスは、すでにレッドブルと2024年までの契約を結んでいる。だが、複数の関係者たちは、レッドブルがいずれどこかの時点でペレスを誰かと交代させるのは間違いないだろうと考えている。
ドイツ出身の元F1ドライバーであるラルフ・シューマッハは次のように語っている。
「ペレスの周りでは誰もが必死に頑張って素晴らしいマシンを与えているのに、彼はフェルスタッペンよりもずっと遅いし、愚かなミスを犯している」
「私の考えでは、彼が来年レッドブルで走ることはないだろう」
■息子はF1で最も堅実なドライバーだとペレスの父親
しかし、当然のことながら、ペレスの父であり、メキシコの政治家でモーターレース関係者でもあるアントニオ・ペレスは息子を支持している。
「現在のF1で最も堅実なドライバーはチェコ・ペレスだ」
母国メキシコの『Esto(エスト)』にそう語ったアントニオ・ペレスは次のように続けた。
「日本でメキシコの旗が振られていたのを見れば、彼が世界中にどれだけ多くのファンを持っているかわかるだろう」
「彼は唯一のラテンアメリカ人であり、それにそこでのファンの多さを加えると、世界中のどのブランドだってチェコ・ペレスと組みたいと思うだろう」
■F1チャンピオンはフェルスタッペンであることを理解する必要がある
そう語ったアントニオ・ペレスだが、自分の息子がレッドブルに雇われたのは2位を目指すためであり、それを尊重する必要があるとも認めている。
「あのマシンはマックス(フェルスタッペン)のために作られたものだ。なぜなら、彼はフロントにグリップを集中させるんだ。そして、チェコは常にリアのグリップで走っている」
「チェコがいるポジションは、2位となるために雇われたものだ。チャンピオンは1人しかいないし、それを理解しなければならない。彼はそのために働き、それを尊重しなければならないんだ」
「すべてはマックスがチャンピオンになるためのものだ。しかし、もし彼(ペレス)がほかのチームに移籍したら、4位か6位だっただろう」
■今後の目標はペレスの2位確保だとホーナー
レッドブルは明らかに鈴鹿でのペレスのパフォーマンスにフラストレーションを感じていたようだが、チーム代表であるクリスチャン・ホーナーはペレスを支援していると明言している。
「セルジオはここ2、3戦苦戦を強いられているが、必ず復活するはずだ。彼がこれまで強かったサーキットがいくつか控えているからね」
そう語ったホーナーは、次のように付け加えた。
「彼にとっては明らかに苦しい週末だったが、今年のコンストラクターズタイトル獲得に重要な役割を果たした。今はただ、我々は彼がドライバーズ選手権で2位をキープすることに集中しなければならない」
現在、ドライバーズランキング2番手のペレスは233ポイントで、ランキングトップでチームメートのフェルスタッペンに177ポイントもの大差をつけられていて、3番手のルイス・ハミルトン(メルセデス)とは残り6戦で33ポイント差となっていて、逆転の可能性もある。
レッドブルではこれまで2人のドライバーがランキング1位と2位でシーズンを終えたことはなく、仮にペレスが今シーズンを2位で終えることになれば、レッドブルにとって初めての快挙ということになり、クリスチャン・ホーナーはそれを望んでいると公言している。