ハースのボスであるギュンター・シュタイナーによると、F1チームはルーキードライバーに賭けることを避けているという。
■デ・フリースは悪いドライバーではない
シュタイナーは昨年、ミック・シューマッハの苦戦に苛立ち、24歳のドイツ人ドライバーに代わって10年以上年上の同国人ドライバー、ニコ・ヒュルケンベルグを起用した。
「では、ニック(デ・フリース)を見てみると、彼は悪いドライバーではないんだ」
彼は『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』紙に、レッドブルとアルファタウリから見放されたばかりのオランダ人ルーキードライバー、ニック・デ・フリースについてこう語った。
「でも、彼はダメだった。彼らは昨年、実力を発揮できなかった“ダニー”(リカルド)を連れ戻した。彼自身もそれを認めるだろう」
「しかし、彼らが彼を呼び戻したのは、おそらく我々にとってどう機能したかを見たからだろう。今のF1では、ポテンシャルを測るのは難しいんだ」
■ピアストリは例外
「本当に、本当に優れた選手を見つける必要があるんだ。オスカー・ピアストリを例に挙げよう。彼はフェアプレーで、明らかに例外的だ。しかし、ルーキーがこのスポーツに参入するのはますます難しくなっているんだよ」
■重要なのは持参金ではなく経験豊富なドライバー
「今はどのチームも良い状態だ。絶望的なチームはないのだから、優秀で経験豊富なドライバーを抱えることはとても重要だ。グリッドが接近しているから、なおさら重要なんだ」
「ルーキーを1,000万ドルや1,500万ドル(約14億円〜21億円)で引き受けるチームはもうないんだ。そんな価値はない。だから、F2からF1に新しい才能を送り込むのはさらに難しい。誰もリスクを冒そうとしないからね」とシュタイナーは付け加えた。
■アストンマーティンF1が“41歳の若者”を獲得したのを見ろ
「アストンマーティンを見てごらん。彼らは41歳の若者(フェルナンド・アロンソ)を獲得し、素晴らしい結果を残したんだ。今のアルファタウリにとって(強くなるとハースが困るため)あまりうまくいかないことを祈るが、彼らはアストンと我々と同じことをしたんだ」
「つまり、他のカテゴリーからF1に入る確実なルートはもはや存在しないということだ」とシュタイナーは主張する。
「彼らがF2からやってくるには、並外れた才能が必要だ」
■インディカー勝者でもリスクが大きい
「もしインディカーに5年いて、優秀なら優秀だ。でも、その実力を測るのは難しいんだ」
「今のF2やF3では、もし競争が十分でなければ、勝者であってもそれほど良いとは言えないこともある」
ミック・シューマッハは2018年のF3と2020年のF2を制覇したが、ハースはわずか2年で解雇している。
一方、ヨーロッパや日本でチャンピオンを獲得できなかったアレックス・パロウは、今年のインディカーで圧倒的なパフォーマンスを見せ、波紋を広げている(すでに2021年にタイトルを獲得している)。
「パロウは本当に良い選手だと思う。彼はどこを走ってもね。でも、誰かがリスクを負わなければならないんだ」
「ロマン・グロージャンを見てみろ、彼はあそこでさらに上を行ったが、大したことはしていない。F1ではかなり良かった。だから、未知の部分が多すぎるんだ」
「誰かが練習でやってみるまではわからない。でも、リスクが高すぎるから誰もやらないんだよ」。