マーチやブラバムで活躍したドイツ出身の元F1ドライバーであるハンス・ヨアヒム・シュトゥックは、もしフェラーリが今後も戦略的ミスを犯し続ければ、今年もF1タイトルには手が届かないだろうと考えている。
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■速いマシンはあるものの自滅してしまうフェラーリ
今季は15年ぶりにF1ドライバーズタイトル、14年ぶりにF1コンストラクターズタイトルを獲得できるだけのポテンシャルを持ったマシンを手にしたと考えられているフェラーリだが、現時点ではドライバーズランキング、コンストラクターズランキングともにレッドブルに先行を許している。
フェラーリの2022年型マシンに信頼性問題が発生したこともその理由のひとつだが、フェラーリがたびたび戦略的ミスを犯し、勝利するチャンスを逃しているのも事実だろう。
先週末にシルバーストンで行われた第10戦イギリスGP決勝においても、レース終盤にセーフティカーが導入された際にその時点でトップを走っていたシャルル・ルクレールをピットインさせてソフトタイヤに交換させていれば、恐らく、ルクレールがそのままトップでチェッカーフラッグを受けていた可能性が高かったのではないだろうか。
実際のところ、古いハードタイヤで懸命に頑張ったものの、カルロス・サインツ(フェラーリ)、セルジオ・ペレス(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)にもオーバーテイクされて表彰台にすら上ることができなかったルクレールは、レース後に激怒していた。
■ミスを犯すのはフェラーリの体質だと示唆したシュトゥック
71歳のシュトゥックは、その責任はフェラーリF1チームを率いるチーム代表のマッティア・ビノットにあるとフランスの放送局『Eurosport(ユーロスポーツ)』に次のように語った。
「私は、マッティア・ビノットがいつまでフェラーリにいるのか疑問に思っているよ」
「結局のところ、彼がリーダーだし、決断に責任を持たなくてはならない」
「その一方で、フェラーリには常にこのようなミスが起こる時期があった」
「私はカルロス・サインツと彼の初勝利をよろこんでいる。だが、かわいそうなシャルル・ルクレールは、今ごろはうんざりしているに違いないよ。だが、これがフェラーリなんだ」
そう語り、フェラーリの戦略ミスを批判したシュトゥックは、それでもまだフェラーリの2022年シーズンは終わったわけではないと次のように付け加えている。
「彼らにはまだ取り組むための時間がたっぷりある。彼らはまだタイトルを勝ち取るために必要なものを持っているよ」。