F1第7戦モナコGP(モンテカルロ市街地サーキット)のフリー走行2回目、角田裕毅(アルファタウリ)は今シーズン4回目の戒告処分を受けてしまい、あと1回で10グリッドペナルティの危機にさらされている。
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■マグヌッセンを抜かせなかった・・・
角田裕毅は、フリー走行2回目にケビン・マグヌッセン(ハース)を抜かせなかったとして戒告処分となった。
スチュワードは、22号車の角田裕毅、20号車のケビン・マグヌッセンおよびチーム代表者から話を聞き、ビデオおよび無線による証拠を検証したとして、次のようなコメントを発表した。
「角田裕毅はマグヌッセンの接近を何度も警告されたにもかかわらず、(トンネル出口の後のブレーキングゾーンにあたる)ターン10に進入する際にレーシングライン上に留まり、マグヌッセンにシケインを通過させるという回避行動を取らせたことが明らかとなった」
「フリー走行中の妨害行為に対してペナルティを課すことは一般的ではないが、今回の行為はペナルティを課すに値するほど重大なものだった」
角田裕毅はトンネル出口の後のターン10でマグヌッセンを前に行かせればよかったのだが、後ろから勢いよく近づいてきたマグヌッセンが、ターン10のブレーキングでシケインを真っ直ぐ通過して角田裕毅を抜いていってしまったこともあり、「走行妨害」と判断されてしまった。
角田自身も、多くのトラフィックに引っかかり、無線で「みんな頼むよー!」と不満を伝えていたが、ここモナコではトラフィックは名物のようなもので、スロー走行をしているマシンは後ろから来るドライバーのために必ず走行レーンを外れて道を譲らなければならない。
角田はマグヌッセンに抜かせようとしていたようだが、結果的にもっと早い段階で他のドライバーと同じように止まるほどのスロー走行をして抜かせるべきだった。
今シーズンはまだ7戦目だが、角田裕毅は今シーズン4回目の戒告処分(ドライビング違反)を受けたことになる。
■ドライビング違反による戒告処分4回目の大きな意味は・・・
戒告処分は口頭注意のようなもので、ただちにペナルティが発生するものではないが、重大なのは「ドライビングによる戒告処分4回目」というのがポイントだ。
FIAによるF1スポーティングレギュレーション18.2項には、こう書かれている。
「同一(同年の)選手権で5回の戒告処分を受けたドライバーは、5回目の戒告処分の際に、その大会のレースで“10グリッド降格ペナルティ”を受けることになる」
「もしレース中に5回目の戒告処分を受けた場合、そのドライバーは次の大会において10グリッド降格ペナルティが適用される」
「10グリッド降格ペナルティは、戒告処分のうち少なくとも4回がドライビング違反に対して科されたものである場合にのみ科される」
■10グリッド降格処分を避けられるか?
つまり、角田裕毅は今シーズン4回目のドライビング違反による戒告処分という条件に達してしまったため、あと1回の戒告処分を受けた時点で“10グリッド降格ペナルティ”が科される、ということになる。
2年目の角田裕毅は調子もよく、結果を残したいところだが、こうした小さなミスで勢いを削ぐことがないように、角田とアルファタウリF1は配慮する必要がありそうだ。