ホンダは、2022年以降もこれまでに想定されていた以上にレッドブルのF1プログラムに関わっていくことになるようだ。
ホンダが2021年シーズンをもってF1活動からの撤退を決めたことから、レッドブルではホンダからF1エンジンに関する知的財産権を譲り受け、自分たちのエンジン部門であるレッドブル・パワートレインズで製造を行っていく計画を進めていた。
だが、レッドブル首脳のヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)によると、その計画は変更されたという。
「2025年まで、我々にはエンジンをいじる必要はない。なぜなら、それらはすべて日本から来るからだ」
母国オーストリアの『Autorevue(アウトレビュー)』にそう語った78歳のマルコは次のように付け加えた。
「つまり、知的財産権はホンダに残ることになる。そして、我々は新しい(F1エンジン)レギュレーションが導入される2026年に新規参入することになるだろう」
マルコによれば、2026年からの本格始動に向けたレッドブル・パワートレインズの準備も順調に進んでいるようだ。
「我々はいいスタートを切ることができたし、夏ごろには稼働する予定だ」
「そもそも、自分たちでやるという決断は純粋に(エンジン)開発の凍結に依存するものだったんだ。そうでなければ、この複雑なものに取り組むチャンスはなかっただろう」
ともあれ、公式にはF1活動から手を引いたホンダだが、2022年にレッドブルとアルファタウリが搭載するエンジンはホンダが設計・製造したものであり、マルコによれば2025年まではずっと日本でエンジンの製造が続けられることになるようだ。
そして、人材の面に関しても、これまでF1エンジンの開発や運用に携わってきた多くのホンダ技術者がこれまで同様にレッドブルとアルファタウリのサポートを継続していくことになるという。
「ホンダは考え直したんだ」
「彼らは、F1のバッテリーに関する知識を自分たちの市販車に生かすことができると気づいたんだ」
そう語ったマルコは次のように付け加えた。
「もちろん、これは我々にとっても非常にいいことだ。キャリブレーション(エンジンの制御パラメータの最適化)や微調整だけを自分たちでやればいいわけだからね」