フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットが現在のフェラーリF1エンジンはライバルであるメルセデスのものより明らかに劣っていると認めた。
「モンツァ(第14戦イタリアGP)では、フェラーリはマクラーレンが搭載するメルセデスエンジンよりも20馬力劣っていることを確認したよ」
そう語ったビノットは次のように続けた。
「我々はパラボリカ(モンツァ・サーキットの最終コーナー)手前の最終セクションでほとんどのタイムを失っていたし、ホームストレートでも同じようなロスがあった。また、リスタート時やオーバーテイクをしようとしたときにもパフォーマンス不足が顕著だった」
「それは今に始まったことではない。だが、我々はエンジンの改善に全力をあげて取り組んでいるし、できる限り早く今年のうちにそれをサーキットに持ち込みたいと思っているよ」
伝えられるところによれば、フェラーリはこれまでよりも10馬力から15馬力の出力向上を果たした新エンジンを今年中に実戦投入することを目指しているという。
今年は原則としてシーズン中に2021年仕様エンジンのパフォーマンス改善開発を行うことは認められていない。だが、フェラーリでは新F1技術レギュレーションが導入される2022年に向けて開発したエンジンを前倒し投入することを検討しているということのようだ。
ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』はこれに関して次のように報じている。
「彼らの改良版は10馬力から15馬力向上しており、それはかなりのアドバンテージになるかもしれない」
フェラーリではその新エンジンを第16戦トルコGP(10月10日決勝)で投入することを目指しているものの、場合によってはその次に行われる第17戦アメリカGP(10月24日決勝)まで持ち越される可能性もあると考えられている。
「それらは危険物なので、まずは輸送を許可してもらう必要がある」
そう語ったビノットは次のように付け加えた。
「つまり、ハイブリッドシステムの開発だけに留まらず、ほかにも様々な面に対応しなければならないんだ。できるだけ早くするつもりだよ」