レッドブルのヘルムート・マルコ(モータースポーツアドバイザー)が、ハロと呼ばれるドライバーの頭部保護システムが導入された時、それについて批判的な立場をとっていたのは自分の間違いだったと認めた。
2018年からF1マシンにハロを装着することが義務づけられたが、マルコは当時猛烈にこれに反対していた。
だが、先週末にモンツァ・サーキットで行われたF1イタリアGP決勝ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のクラッシュが発生。両者のリアタイヤ同士が接触したことでフェルスタッペンのマシンが宙に浮き、その右リアタイヤがハミルトンの頭部をかすめたものの、ハロの存在によってハミルトンが大けがを負うことはなかった。
その様子はF1公式サイトが公開した動画にもはっきりと映し出されていた。
マルコは母国オーストリアの『Osterreich(エステルライヒ)』紙にハロについて次のように語った。
「私は最初懐疑的だった」
「しかし、私も認めざるを得ないが、(2020年の第15戦バーレーンGPで起きたロマン・グロージャンの)火災事故の時と同じようにハロが決定的な役割を果たしてくれたおかげで非常にいい結果となったよ」
2019年に亡くなったニキ・ラウダの息子である元レーシングドライバーのマティアス・ラウダも新たなハロ支持者の1人だ。
母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』からハロについて意見を求められたマティアス・ラウダは次のように答えた。
「チタン製のハロ保護装置はまさに本来の働きをしてくれた。それがフェルスタッペンのマシンの後輪からハミルトンを守ったんだ」
「最初はそれほどひどい事故には見えなかった。だが、リプレイを見れば、ハロがなかったら非常にまずい結果になっていただろうということが分かるよ」
40歳のマティアス・ラウダはしかし、あのクラッシュが起きたそもそもの原因はレッドブルのピット作業ミスであり、あれがなければそもそもフェルスタッペンとハミルトンがホイール・トゥ・ホイールのバトルを演じることもなかったはずだと次のように続けた。
「あれは大失敗だった。7秒とか8秒は、F1では永遠に等しいからね」
「もしF1タイトルを争いたいのであれば、ああいうことが起きてはならないよ」
そう語ったマティアス・ラウダだが、今回のフェルスタッペンとハミルトンのクラッシュは意図的なものではなかったと語り、次のように続けている。
「もし彼らがあそこでクラッシュしていなかったら、その後ルイスがマックスにぶつかっていたかもしれないよ」
「ペナルティによって次のレースではマックスが不利になるだろう。F1タイトル争いは非常に接戦となっているから、小さいことでもすべて重要になるんだ」