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フェルスタッペンのF1タイトル争いに暗雲 ポイント差以上のダメージを負ったレッドブル・ホンダ

2021年08月02日(月)18:08 pm

2021年F1第11戦ハンガリーGP決勝でスタート直後に起きたマルチクラッシュに巻き込まれてマシンに大きなダメージを負ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は、レース後に次のように語った。

●【2021年F1第11戦ハンガリーGP】決勝レースのタイム差、周回数、ピット回数

「メルセデスに押し出された。またもね」

ルイス・ハミルトン(メルセデス)に次ぐ2番手でターン1を曲がろうとしていたフェルスタッペンだが、スタートに出遅れたバルテリ・ボッタス(メルセデス)がターン1手前でランド・ノリス(マクラーレン)に追突。そのノリスのマシンがフェルスタッペンを直撃するとともに、ボッタスはセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)をも巻き込んでしまった。

その事故による赤旗中断の間にフェルスタッペンのマシンの損傷を手当したレッドブルだが、あくまでも応急処置対応しかできず、フェルスタッペンはいつものようなパフォーマンスを発揮することができず、結局10番手でレースをフィニッシュ。ポイントリーダーの座を再びハミルトンに明け渡してシーズン前半を終了することになってしまった。

「どういうリアクションを期待しているんだい?」

そう続けたフェルスタッペンは次のように付け加えた。

「最近の2つの週末では、あまりにも奇妙な状況がたくさん起きてしまい、それによって僕たちは多くのポイントを失ってしまった」

実際のところ、シルバーストンで行われた第10戦イギリスGPではハミルトンとのクラッシュによりノーポイントに終わっていたフェルスタッペンだが、先週末のハンガロリンクでは再びメルセデスのボッタスが起因となる事故でフェルスタッペンが大きなダメージを負うとともにペレスがリタイアに終わるというレッドブルにとっては最悪の状態となってしまった。この結果、シーズン前半戦が終わった時点でコンストラクターズランキングも再びメルセデスが首位に立っている。

レース前に降り始めた雨により浅溝のインターミディエイトタイヤでのスタートとなったハンガリーGP決勝だが、結果としてノリスとペレスをリタイアに追い込み、フェルスタッペンに大きなダメージを与えてしまうブレーキングミスを犯したボッタスは『Sky Deutschland(スカイ・ドイチュランド)』に対し、自分が責められても仕方がないと次のように語った。

「それは当然だと思うよ」

「確かに、僕はブレーキをもっと早くかけるべきだった。でも、それを評価するのは簡単ではないよ」

「わざとやったわけじゃないんだ」

だが、イギリスGPに続いてハンガリーGPでも2戦連続でレッドブルがメルセデスからコース外に押し出され、結果として選手権争いのリードを奪われてしまったことで、レッドブルとメルセデス間の緊張感が今後さらに増していくのは火を見るよりも明らかだ。

レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーはレース後に次のような皮肉を語っている。

「ボッタスは今日、メルセデスのためにいい仕事をしたよ」

一方、ハンガリーGPでの事故に関してボッタスに代わって謝罪したいと思うかと尋ねられたトト・ヴォルフ(メルセデス/チーム代表)は次のように答えた。

「私は公の場でそうしているよ。我々は申し訳なく思っている」

しかし、ホーナーはそのヴォルフのコメントを受けて次のように語った。

「彼が金を払ってくれるのかい?」

「最終的には、これはレースなんだ。そして、トトは車を運転していなかった。彼(ボッタス)はクラッシュを起こすつもりはなかったはずだ」

「だが、我々にとってその結果は厳しいものとなっている。バジェットキャップ(チーム予算上限値設定)の時代を迎えているだけに、FIA(F1統括団体の国際自動車連盟)はそのことを検討する必要があるんじゃないかな」

当初、イギリスGPで51Gもの衝撃を受けたフェルスタッペンのホンダF1エンジンには損傷はなかったと伝えられていたが、結局フェルスタッペンは予選後に今季3基目となる主要エンジンコンポーネントを投入している。そしてホーナーは、ハンガリーGPでボッタスにぶつけられたペレスのエンジンもダメージを受けていたことを明らかにしている。

これにより次戦ベルギーGP(8月29日決勝)ではペレスも3基目の主要コンポーネントを投入する可能性が高くなっている。そして、フェルスタッペンもペレスもそのエンジンだけでシーズン後半戦を乗り切ることは現実的に不可能であり、どこかのレースで規定数を超える新たなエンジンを投入し、グリッド降格ペナルティを受けることが確実な状況となってきている。

こうした状況について2016年のF1チャンピオンであるニコ・ロズベルグは次のように語っている。

「強いハミルトンを相手にF1タイトル争いをする上で、それは非常に不利な状況だよ」

実際のところ、ハンガリーGPを3位でフィニッシュしたハミルトンだが、その後2位となったセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)がレース失格となったために18ポイントを獲得。このレースで2ポイントしか獲得できなかったフェルスタッペンとの差は8ポイントに開いている。

だが、実際のところ、フェルスタッペンとレッドブルが受けたダメージはその8ポイント以上に大きなものとなっているのは明らかだ。

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