今週末に今季のF1第2戦エミリア・ロマーニャGPがイタリアのイモラ・サーキットで開催されるが、レッドブルがそのレースに“謎のサスペンションシステム”を投入するようだといううわさが一部でささやかれている。
しかし、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコはこのうわさについてドイツのテレビ局『Sport1(シュポルト1)』に次のように語った。
「全くナンセンスだよ」
「我々はすでにその謎のサスペンションとやらをバーレーン(開幕戦)で使ったんだ。だが、それは何も特別なものではないよ」
「今シーズン、より小さくコンパクトになったホンダの新型エンジンに合わせたことでリアエンドが非常に狭くなった。そしてそれに適合するサスペンションが必要となったことから、それに合わせて設計をするしかなかったんだ」
うわさされているような大きな改良パーツの投入はないとしたマルコは、イモラでもバーレーンと同じようにマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)による一騎打ちの様相を呈してくるはずだと考えている。
「バーレーンでは彼らが同じレベルで戦っていた。現時点では誰もそれに答えることはできない」
「私はマックスの方が1周では速いと信じている。だが、ハミルトンにはその経験から得た何かがあるよ」
実際のところ、開幕戦バーレーンGP決勝ではハミルトンがチャンスを生かして勝利をつかんだものの、フリー走行から予選まではフェルスタッペンが完全に支配していた。
開幕戦でレッドブル・ホンダのパフォーマンスがメルセデスをしのいだのは、今年の空力ルール変更によってレーキ角(車体の前傾角度)が小さいメルセデスが不利になったためだと考えられている。
しかし、メルセデスを率いるチーム代表のトト・ヴォルフは今後2021年型F1マシンを改善し、ばん回に転ずる自信はあるとしている。
「1か月では無理かもしれないが、解決はできる。クルマにはまだポテンシャルがあるんだ」
そう述べたヴォルフは次のように付け加えた。
「2021年シーズンをあきらめるわけにはいかないよ。数週間早くスタートしたからといって2022年に良くなるという保証はないからね」