F1が今季中に3レースで試験的実施を計画しているスプリントレース方式予選に関し、チームたちとの間で合意に至ったと報じられている。
今年1月にF1最高責任者に就任したステファノ・ドメニカリは、第10戦イギリスGP(7月18日決勝)、第14戦イタリアGP(9月12日決勝)、そして第20戦ブラジルGP(11月7日決勝)の3レースにおいてスプリントレース方式予選を試験的に実施する計画を進めている。これはレース週末をファンにとってさらに魅力的なものとすることを目的とするものだ。
だが、最近メルセデスとレッドブルがスプリントレース実施にあたってコストが増大することが想定されるとしてその補償として30万ドルから40万ドル(約3300万円から4400万円)の負担をF1に求めていると報じられていた。
今年は1億4500万ドル(約160億円)のバジェットキャップ(F1チーム予算上限値)が適用されることになっているが、3レースでスプリントレースを行うことになればその予算では収まりきらないというのがF1トップチームたちの言い分だ。
しかし、かつてフェラーリのチーム代表を務めていたドメニカリはこうした動きに対し、「その(コストの)差は、世間で言われているほど大きくはない」と主張し、「挑戦したいことすべてに補償を求めていては、いつまでたってもそこにたどり着くことはできないだろう。全体像を見失ってはならないんだ」と語ったと報じられていた。
ところが、ドイツのテレビ局『RTL』を含むいくつかのメディアが報じたところによれば、ドメニカリはチームたちに追加コスト分を補償することによりシルバーストン・サーキットで行われるイギリスGPでのスプリントレース試験導入を確定させる動きに出たようだ。
『RTL』によれば、F1チームたちはスプリントレース方式予選導入に向けてそれぞれ50万ドル(約5500万円)の補償を受けることで合意したという。さらに、クラッシュなどによる損害が発生した場合には追加の補償金が支払われることになるとされている。
ドメニカリは、来週末にイモラで開催される第2戦エミリア・ロマーニャGPまでにはこの問題を解決したいと語っていたが、今回の報道が事実であれば、スプリントレース方式予選の試験実施にグリーンフラッグが振られることになりそうだ。