【ハースF1】リスクを承知で2021年シーズンには2人のルーキーを起用
ハースのチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、2021年シーズンを2人のルーキードライバーで戦うのは「リスク」だと認めた。
2021年シーズンに向け、すでにロマン・グロージャンおよびケビン・マグヌッセンとの契約を更新しないことを明らかにしているハースだが、来季は2人の新人ドライバーを走らせることになるのが確実な状況となっている。
ハースはまだそのラインアップを正式に発表してはいないが、1人はフェラーリのアカデミードライバーであり、現在F2選手権でランキングトップに立っているミック・シューマッハ、そしてもう1人は潤沢なスポンサー資金を持ち込むことになると考えられているロシア人ドライバーのニキータ・マゼピンだと考えられている。マゼピンもシューマッハ同様今年はF2に参戦しており、現在ランキング6番手に位置している。
チームの台所事情もあるのだろうが、経験のあるグロージャンとマグヌッセンを放出し、ルーキードライバー2人で戦うのはチームにとって危険な賭であるのは確かだろう。
そのことについて質問を受けたシュタイナーは次のように語っている。
「もちろん、リスクはあるさ」
「だが、我々も彼らを助けるためにそこにいるんだ。有利な点は、彼らがチームとともに成長するチャンスを得る間、我々は彼らの成長に関して特定の方向を指し示すことができるということだ」
「2人のルーキーを使うことはほとんどなかったかもしれないが、私はそれによって最初から失敗する運命にあるとは思っていないよ。リスクを軽視するつもりはないが、みんながどうしてロマン・グロージャンをこれほど長く使い続けるのかと聞いてきたことも覚えているよ」
「我々はほかのチームがやっていることと同じことをやるためにここにいるわけじゃないんだ。我々は自分たちにとって意味があると思えることをやるし、我々が正しいかどうかは結果が示すことになるだろう」
だが、元F1ドライバーであり、ハースに加入するとうわさされているミック・シューマッハの叔父にあたるラルフ・シューマッハは、「現在のF1において」ドライバーラインアップを2人ともルーキーで固めてしまえば2021年には「途方もない仕事」が待ち受けることになるだろうと考えている。
7度F1王者に輝いたミハエル・シューマッハの弟は母国ドイツのテレビ局『Sport1（シュポルト1）』に次のように語った。
「このスポーツは非常にテクニカルなものになってしまっている」
「私から見れば、経験豊かなセルジオ・ペレス（レーシングポイント）もしくはニコ・ヒュルケンベルグの方が好ましいと思うよ」
「もちろん、『ルーキーたちを走らせてみよう』と言うことはできる。もし彼らに速さがあればね。だが、非常に難しい仕事になるだろう。F1は単にスピードだけでは務まらないところだからね」
そう語ったラルフ・シューマッハだが、ハースがこうした決断を下すに至った背景には財政的な理由があったのだと考えている。
「ハースの置かれた状況が少しばかり変わったのだと思っている。一時はチーム売却も考えられていたわけだしね」
「フェラーリとハースは今後さらに密接な関係になりつつあるし、フェラーリはミックに財政面ばかりでなく感情面においても大きな投資を行ってきている」
そう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えた。
「彼ら（フェラーリ）は技術的にも可能な限りハースをサポートしようとするだろう」
