ホンダが2021年限りでF1から撤退する決定をしたことを受け、2022年以降に向けてレッドブルがどうするのかということに関心が集まっている。
最近のうわさではレッドブルがホンダからイギリスのエンジン開発拠点を買収し、独自にF1エンジン開発・製造に取り組む可能性もあるのではないかと言われている。
現在ホンダはイギリス国内のエンジンの開発拠点をミルトンキーンズにある“MUGEN EURO”の施設内に構えている。それはかつてF1エンジンサプライヤーとして活躍していた無限の子会社だ。つまり、レッドブルは今後無限と手を組んで独自にエンジン開発を行う準備に入るのではないかと考えられているのだ。
F1関係者の中にはホンダのF1撤退発表を受けてレッドブルもF1から撤退する可能性もあると考えている者もいるが、元F1ドライバーのラルフ・シューマッハはそう思ってはいないようだ。
「彼らがF1をやめるとは思わないよ」
「ルールではエンジン供給は保証されることになっているし、ルノーはすでにその準備があると示唆している」
「レッドブルが自分たちでエンジンを造る可能性だってあるだろう。ホンダからシステムを買収し、恐らくは、ある程度のサポートを受けることによってね」
そう語ったラルフ・シューマッハは、F1エンジンルールが大きく変わることが予想されている2025年にはポルシェがエンジンサプライヤーとしてF1参入する可能性もあるとうわさされていることに言及しながら次のように付け加えた。
「2025年か2026年に参入するドイツのメーカーという選択肢もあるだろうから、それは考えられるシナリオだと思うよ」
一方、ラルフ・シューマッハはホンダがF1撤退の理由として2050年までにカーボンニュートラルを実現するという大きな挑戦に集中するためだとしたことに関し、それは都合のよい言い訳に過ぎないと考えている。
「それはすごく都合のよい言い訳だと思っているよ」
「コロナによってさまざまなことが起きた。多くの仕事が危機的状況を迎えたし、ホンダも例外ではない。経営陣はコストのことを心配しているんだ」
『AvD Motorsport Magazin(AvDモータースポーツ・マガジン)』にそう語ったラルフ・シューマッハは次のように付け加えている。
「だから、それは環境のためだけじゃなく、金のためでもあるんだ」