新型コロナウイルスのパンデミックにより大幅にカレンダーが修正されているF1だが、ここまでに行われたレースは全て無観客で行われており、少なくとも現在第9戦としてイタリアのムジェロで開催される予定となっているトスカーナGP(9月13日決勝)までは同じように無観客での開催となることがほぼ確実となっている。
だが、第10戦ロシアGP(9月27日決勝)の舞台となるソチ・オートドロームでは3万人ほどの観客を動員する計画を進めていると伝えられている。
そして、このほど第12戦として10月25日に決勝開催が予定されているポルトガルGPも観客の前でレースを行う用意をしていることが明らかとなった。
ポルトガルGPの舞台となるポルティマオ・サーキットの責任者パウロ・ピネイロはドイツの『Speed Week(スピードウィーク)』に次のように語った。
「中国GPがキャンセルとなるだろうと分かったとき、我々にチャンスがあると思い、リバティ・メディアに連絡したんだ」
「我々なら開催できるということを示したかったんだ。ポルトガルにおけるcovid-19の状況はほかのヨーロッパ諸国とは違っているからね」
そう語ったピネイロは、ポルトガルでは今後も新型コロナウイルスの状況は安定しているはずであり、限られた数の観客をサーキットに入れることも可能だと次のように続けた。
「ポルトガルでは9月30日まではスポーツイベントに観客を呼ぶことは許されていない」
「スーパーバイクのイベントでは例外を設けて250人のファンを入れたんだが、そこで我々はシミュレーションを行ったんだ。観客をどのように自分たちのシートやトイレなどに導くかとか、そういう類いのこと全てに関してどうやればいいかということをね。パドックは厳格に封鎖されていたよ」
しかし、ピネイロもポルトガル政府がこうしたイベントへの観客動員禁止措置を9月30日以降も延長する可能性も否定はできないと認めている。
「その場合には無観客でやることになるだろう」
ピネイロはそう語ると次のように付け加えた。
「そのことは契約においても考慮されているし、それは公平かつ適切なものだよ。それに関しては我々も危ない橋を渡ることはできないんだ」