前F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、今季限りでフェラーリを離脱するセバスチャン・ベッテルは1年間F1を休み、2022年に復帰することを目指したほうがよいと考えている。
ベッテルに関しては、2021年に勝てるチームに移籍できなければそのままF1を引退することになるだろうとうわさされている。
しかし、勝てるチームであるメルセデスやレッドブルに来季ベッテルが加入できるチャンスはほとんどないというのが大方のF1関係者の見方となっている。
メルセデスF1チームCEOのトト・ヴォルフは、ベッテル獲得の可能性を否定こそしていないものの、まずは現在メルセデスに所属しているドライバーを優先的に検討するつもりであることを明言している。
さらに、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも、かつて2010年から2013年まで自分たちと一緒に4年連続でF1タイトルを獲得した実績を持つベッテルを復帰させるつもりはないとしている。
この件について質問されたレッドブルのマックス・フェルスタッペンはベッテルの母国ドイツのテレビ局『Sky Deutschland(スカイ・ドイツ)』に次のように語っている。
「それは僕が決めることじゃないよ。それはクリスチャン(ホーナー/チーム代表)とヘルムートが決めることさ」
「でも、そのことに関して僕たちが一緒に話をした事実などないということは言えるよ」
こうした中、ベッテルとは個人的にも親しい関係であることが知られている89歳のエクレストンはこのほど『f1-insider.com』に次のように語った。
「彼は1年休みを取るべきだよ。そして2022年に向けて自分を売りに出せばいい」
「トト・ヴォルフはあそこ(メルセデス)でパワーを持っている。すでにスーパースターのルイス・ハミルトンがいるのにわざわざベッテルを獲得する理由はないだろう?」
「それに、彼にはほかにボッタスと(ジョージ)ラッセルという2人のドライバーがいる。どちらも彼が何年もかけて育ててきたドライバーだ」
2021年にベッテルがメルセデスに移籍できる可能性はないだろうと示唆したエクレストンだが、2020年シーズンにベッテルがフェラーリ最後の年に有終の美を飾ることも難しいだろうと考えているようだ。
「私にはフェラーリが本命だとは思えない」
そう語ったエクレストンは、フェラーリがチームメートのシャルル・ルクレールに有利なチームオーダーを出すことも十分にあり得ると示唆し、次のように付け加えた。
「もし彼らがメルセデスやレッドブルと対等に戦えるとしても、フェラーリはベッテルが勝利し、これから何年もあそこにいる者(ルクレール)を倒して去っていくことを面白いとは思わないだろう? それでは意味がないからね」