7月から2020年のF1がスタートする可能性が高まっているが、無観客レースとして開催される予定のレースでは通常のスタイルではなく、スプリント形式で予選レースを行うとともに、その結果をもとにリバースグリッド方式で決勝スタートポジションを決めるという案が検討されている。
リバースグリッドというのは、予選でトップだった者がポールポジションからスタートするのではなく、例えば予選トップから10位までのドライバーのスターティンググリッドを逆にするというような仕組みのことだ。
これにより、速いマシンに乗るドライバーがレースでスタートからリードを広げることはできず、前のクルマをオーバーテイクしていくことが求められるため、必然的にコース上でのバトルが激しくなるわけだ。
だが、その実現には全F1チームの合意が必要だとされているが、最新の情報によれば少なくとも2チームが反対票を投じることになると考えられているようだ。
予選レースやリバースグリッドに関しては新型コロナウイルス危機が訪れる以前からF1オーナーであるリバティ・メディアがその導入を検討していたことが明らかとなっている。
トップ3と呼ばれるメルセデス、フェラーリ、レッドブル以外のチームは表彰台争いに加わることもできない状況となっている中、ファンがより一層レースを楽しめるようにするというのがその目的だ。
だが、F1モータースポーツ担当マネジングディレクターであるロス・ブラウンはこの案に関して次のように語った。
「前回の会議において2チームが手を上げ、自分たちはそれに合意するつもりはないと言ったよ」
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーによれば、現在それに反対しているのはメルセデスだという。
「我々は今年ユニークな状況を迎えていると思うし、同じサーキットで2レースをやるわけだから、2つめのレースで何か違うことを試すには絶好の機会だと思うよ」
テレビ局『Sky(スカイ)』にそう語ったホーナーは次のように続けた。
「そうでなければ、天候が安定していたら2レース目でも最初のレースと同じ結果になる可能性が高いだろう」
「それに唯一賛同しなかった人物はトト(ヴォルフ/メルセデスF1チームCEO)だった。彼はそれがルイス(ハミルトン)の7度目のタイトル獲得を妨害することになると考えていたからだ」
伝えられるところによれば、メルセデスではF1には「魅力的にするための変な仕掛け」など必要ないと主張しているという。
また、メルセデスからF1エンジン供給を受けているレーシングポイントも反対票を投じることになるだろうとも言われている。