NEXT...F1開催スケジュール

「ストライカーは1人いればいい」とベッテル離脱の背景を語ったフェラーリ関係者

2020年06月02日(火)18:06 pm

フェラーリF1チームの内部関係者が、2021年からはシャルル・ルクレールを中心とするチーム戦略をとっていく方針であることを認めた。

2015年からフェラーリで事実上のナンバー1ドライバーとして処遇されていたセバスチャン・ベッテルは2020年限りでチームを離れることが決まっている。

フェラーリはすでに昨シーズン後にルクレールとの契約を2024年まで延長しており、その時点でベッテルがチーム構想からはずれてしまっていたのは確かだろう。

あるフェラーリ関係者はドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、匿名で次のように語った。

「シャルル・ルクレールが我々の未来だ」

そのフェラーリ関係者はサッカーのフォーメーションに例えながら、今後のフェラーリの戦略を次のように語っている。

「今後、我々は4-4-2ではなく4-4-1-1でプレイするつもりだ」

簡単に言えば、4-4-2というフォーメーションはゴールを狙うストライカーを2人配置するものだが、4-4-1-1は1人のストライカーとその後方に“トレクァルティスタ”と呼ばれるミッドフィルダー的動きをするプレイヤーを配置する形となる。

つまり、フェラーリとしては2021年以降はルクレールをストライカーとして位置づけ、ベッテルの後任として新たなチームメートとなるカルロス・サインツ(現マクラーレン)にはルクレールのサポート役を任せる戦略をとるということだ。

その匿名関係者は2人のストライカーが存在することは必ずしもチームの利益になるとは限らないと次のように続けている。

「もしハミルトンとロズベルグが2017年も再び同じチームで走っていたならば、メルセデスにとっては面倒なことになっていただろう」

「我々にはそれによって利益を得られるだけのいいクルマがあったんだ」

2016年にチームメートのハミルトンに打ち勝って初のF1タイトルを獲得したロズベルグがその年限りでのF1引退を決めたことからメルセデスは2017年にバルテリ・ボッタスを起用している。

2017年にはハミルトンがドライバーズタイトルを獲得したが、ランキング2位には46ポイント差でベッテルが続き、ボッタスはハミルトンとは58ポイント差の3位だった。仮に2017年にハミルトンとロズベルグがポイントを取り合う展開となっていれば、ベッテルが漁夫の利を得ていた可能性も考えられなくはない。

ともあれ、フェラーリは2021年以降ルクレールを絶対的ナンバー1として処遇する計画であり、そこにもはやベッテルの居場所はないということだ。

匿名関係者は、2021年にサインツに担わせることになる役割はベッテルにはそぐわないものだったのだと次のように付け加えた。

「2021年には、我々は彼(ベッテル)に犠牲となってもらう必要があった。それを受け入れるのは彼にとっては難しいことだったんだ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック