ミック・シューマッハが、名前だけでF1に行けるほどこの世界が甘いものでないことは分かっていると語った。
7度F1王者になったミハエル・シューマッハの息子であるミックは2018年にヨーロッパF3チャンピオンの称号をひっさげて2019年にF1直下のカテゴリーとなるF2に参戦。フェラーリのアカデミードライバーともなったミックにはフェラーリとフェラーリエンジンを搭載するアルファロメオでF1マシンのテスト走行を行うチャンスも与えられた。
2019年のF2での結果次第では2020年のF1デビューもあり得るのではないかと考えられていたミックだが、最終的にはランキング12位と期待外れの結果に終わってしまった。
しかし、20歳のミックはアルゼンチンの『Infobae(インフォバエ)』に対し、2019年シーズンには満足していると次のように語った。
「全体的には、このシーズンの結果には満足しているよ」
「僕たちのデータによれば、ペースがよくなかったのはたった3レースだけだったんだ。だけど、一番大切なことは2019年に多くのことを学べたことだよ。とりわけ、タイヤマネジメントに関してね。それは恐らくF2で最も重要なことだろうと思うよ」
「だけど、2020年には成長を続けたいと思っているだけでなく、トップドライバーたちと争うことができるようになりたいと思っているんだ」
伝説的ドライバーである父親と同じ名字を持つことによる利益も多いだろうが、その一方で大きな期待とプレッシャーがミックを苦しめることになるのではないかと考えている者も少なくない。
ミック自身もまずは自分に実力が伴わなければF1昇格など望むことはできないことは分かっていると次のように語っている。
「もしF1ドライバーになりたいのなら、F1のようなジュニアカテゴリーでいいパフォーマンスを見せる必要があることは分かっているよ」
「名前だけでF1に行けるドライバーなんて誰もいないよ。それ(名前)が保証してくれるわけじゃないからね」
だが、ミックは自分が父親と比較されること自体はまったく問題のないことだと次のように主張している。
「全然気にしないよ。僕の父は、僕の目から見れば、歴代最高のレーシングドライバーだよ。みんなが僕を彼と比べることは僕にとって大きな誇りでもある」
近い将来F1に行けると思っているかとの質問に対しては、ミックは次のように答えた。
「そのことは今は考えないようにしているんだ。僕は2020年のF2シーズンに完全に集中しているし、それが僕にとってすごく重要なことなんだ」
「その後のことについては、今後どこかの時点で話し合うことができるよ」
2020年のF2はF1第2戦バーレーンGPのサポートレースとして開幕を迎えるはずだったが、新型コロナウイルスの影響によりF1同様F2レースも延期となっており、いつレースが可能となるのかは不透明な状況だ。