2020年にもしルイス・ハミルトン(メルセデス)がF1ドライバーズタイトルを獲得すれば、ミハエル・シューマッハが持つ歴代最多記録7回に並ぶことになる。
だが、前F1最高責任者であるバーニー・エクレストンは、今年はマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がそれを阻止するような活躍を見せてくれることを期待しているようだ。
89歳のエクレストンはフェルスタッペンの母国であるオランダの『NOS(オランダ放送協会)』に次のように語った。
「いい戦いが見られるだろうと思っているよ」
「ハミルトンとフェルスタッペンやルクレール(フェラーリ)といった若手による戦い、それにメルセデス、フェラーリ、そしてレッドブルの戦いも見られるだろう。それこそ我々が必要としているものだよ」
エクレストンはさらに、現在22歳のフェルスタッペンはF1タイトルをとることができる状態にあると次のように続けた。
「マックスは多くを学んできた。5年前の彼は常に限界を超えていた。だが、経験を積んだことにより、今では彼も以前より冷静になっている。今の彼は限界ギリギリでやっている。そこが大きな違いだね」
しかし、エクレストンはここまで6回F1チャンピオンとなったハミルトンがやはり今年も最有力チャンピオン候補だと考えるべきだろうと考えている。
「彼は7回目のタイトル獲得に向けてすごくやる気を高めているからね」
「だが、どこかの時点で彼に勝つ者がいるとすれば、それはマックスだよ」
そう語ったエクレストンだが、今年もメルセデスが圧倒的な強さを見せつける可能性は高いと考えているようだ。
エクレストンは「それには良い点も悪い点もある」と語ると、次のように続けた。
「たいくつなものになる可能性がある。人々は『いつもメルセデスが勝つ』と考えるようになるからね。だが、最高のマシンが常に勝つというのはこれまでもそうだったんだ」
「だが、ルイス・ハミルトンのようなドライバーがいるのはいいことでもあるんだ。私は彼はモハメド・アリ(ボクシングの元ヘビー級チャンピオン)のような存在だと思っているよ」
そう述べたエクレストンは次のように締めくくっている。
「こういう偉大なチャンピオンが負けるとき、人々はそこにいたいと思うものなんだ。そうすれば、そのとき自分はそこにいたんだと言えるからね」